不思議で怖くておもしろい!!そんなSCPを紹介したいと思います!!
今回は我々を照らす太陽が敵となる物語SCP-001【夜明けの刻】を紹介しようと思います!!
SCPとは
SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。
SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。
・Safe(セーフ)
注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!
・Euclid(ユークリッド)
よくわからないことが多くて危険だよ!収容が難しいかも・・・?
・Keter(ケテル)
収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!
主にこの3種類に分類されてます。
今回はその他のクラスも登場します。
・Apollyon(アポリオン)
収容できないし基本的に世界が終わる可能性が高いよ!終焉シナリオに繋がるクラス!!
・Tiamat(ティアマト)
Kクラス並に危険で収容も困難だけど、被害や財団の存在を隠すことを諦めれば収容できるかも?
SCP-001とは
SCP-001のページは複数存在します。本物のSCP-001の情報漏洩を防ぐためにダミーとして作成された資料と言われている。あるいはすべてがダミーであるのかもしれない。これらの資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されているため、未許可の人間がアクセスすると即座に終了される。
SCP-001 夜明けの刻
あなたは主要な道路から一マイルほど離れた天然の洞窟に隠されたアクセストンネルを見つけた。 キーカードはいらない。ドアは半開きのようだ。 臭いがする。奴らの臭いだ。幸いにして、奴らは移動したようだ。あなたはあまりに遠くまで来てしまった。もはや後戻りはできない。 サイトの入り口から深部へと引きずるような汚れが続いている。奴らの1つの血液か糞か──あるいは他の何かが擦り付けられている。あなたにはわからない。あなたはそれを避けて進む。 まだ遭難信号は受信されている。それは昨日から送信され始めたものだ。誰であるかは知らないが──あなたは生きているよう祈る。 あなたの靴音が空虚な廊下で木霊する。まるであなたが闇に1人で進んでいるのではないように、靴音1つが1ダース、世界全部に響くように聞こえる。 エレベーターは止まっている──なのであなたは階段を使う。B5フロア:Keter収容階で終わっている。あなたはいくつかの空の収容チャンバーを通り過ぎる。そこに収容されていた恐怖はとうの昔になくなっている。 もしあなたが幸運なら。 引きずられた汚れはシグナルの源であるオフィスへつながっている。ドアは破壊されているが、途中で止まっている。あなたは足を踏みしめ、全力でそれを押す。 何かが部屋から滑り出しあなたの左を通り過ぎ、あなたがはっきり見る間もなく曲がり角へと消えた。あなたにはとっさに'犬'のように見えた。 だがそれは、天井を走っていたのだ。 あなたは部屋で人心地つき、ドアを乱暴に閉めた。ここは暗い。あなたは安全だ。あなたはジャケットと頭に巻いたものを脱いだ。あんなことが起こったあとに、熱中症のようなもので死ぬほど恥ずかしいことはないだろう。 非常灯が回転し、1秒ごとにパールオレンジの光を部屋に投げかけていた。まるで部屋そのものが鼓動するように。 ドアの後ろには棚が手当たり次第に設置されていた──バリケードだ。部屋を見渡すと、土の付いた衣服、食べかけの食料、トイレが隣接するにもかかわらず、隅のバケツには排泄物。北側の壁にある圧縮空気チャンバーは居住者に消耗品を運んでいたと思われる。 汚れの筋は部屋の隅で、汚い水溜まりを形成して終わっていた。あなたはいくつかの薬剤の瓶を見つける──よく見てみると様々なオピオイドのようだ。全て空だ。 コンピューターを載せたデスクがある。あなたがターミナルに近づくと、電源ボタンが点滅しているのがわかった。 あなたは座り、電源を入れた。
荒廃した世界、生き残っている元財団職員の目線かな?
たどり着いた先は誰かが暮らしていたと思われる部屋。
パソコンの電源は付いている。何か資料はあるだろうか?
非常プロトコル発動。クリアランスレベル・セーフガード除去。完全アクセス許可。
確保.収容.保護.
アイテム番号:SCP-001
オブジェクトクラス:Apollyon
特別収容プロトコル:その性質のため、SCP-001の収容は不可能です。安全な施設にいるSCP-001イベントの生存者はお互いの接触を絶やさないようにしてください。職員が自己判断で何らかの方法でサイト-5サイト-19へ到達することは推奨されます。
野外を移動する生存者は防護のための衣服、可能なら複数の層で体を完全にカバーしなくてはいけません。徒歩は可能な限り避けてください。都市──および人工の構造物は一般に──最高の防御となります。以前は森林だった場所は避けるべきです。航空機による移動が最も推奨されます。
SCP-001に暴露した職員は喪失したものとみなします。負傷した職員は見捨てられます。安楽死は試みられません。
対処困難な大きさのSCP-001-Aの融合体は何としても回避してください。伝導性電撃武器は実例を行動不能にするのに部分的に効果的であると示されており、自衛のために使用可能です。火炎性の武器も同様に働きますが、冷凍兵器が最も効果的です。
試験により、SCP-001-Aは消費しても比較的安全であると示されています。これは他の手段がないときの最終手段としてのみ考慮されるべきです。消化器内での再構成の可能性があるため、閉塞を避けるため一度に少量ずつ消費してください。
サイト-19の職員は別世界の居住地化の研究を行います。シャトルは光が内部に入らないように建造されなくてはなりません。
家族のいるもの、そしてあってはならないことだが、子供のいるものへ──深く、深く謝罪する。諸君らは前進しなくてはならない。彼らの死を無駄にしてはならない。我々にはまだ時間がある。
人類にはまだ未来がある。サイト-19へ来てくれ。我々にはできるだけ多くの助けが必要なのだ。
闇を受け入れる術を学ぶのだ,同志達よ。光を恐れよ。
パソコンの中にあったのは元凶であるSCP-001の記事か
「光を恐れよ」とは何を意味してるんだ?続きを見てみよう。
説明 太陽は◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️イベント後にSCP-001に指定されました。最初の24時間で~68億人の犠牲者がもたらされ、このイベントはXK-Δ-クラス ”太陽異常化”(Solar Singularity)シナリオに分類されました。
SCP-001の影響は紫外線への暴露の結果ではなく、むしろ可視スペクトル(~390-700 nm)によるものと考えられます。月光も同様の影響がみられます。
太陽から発する可視光線に接触すると、生体は接触した場所から液状化し、その影響は全身へと広がります。外見は溶けたワックスに似ています。これに要する時間は暴露の程度と生体の大きさに依存します。このような再構築にもかかわらず、生体は死亡しません。
日光に当たると体がぐちゃぐちゃに溶けるの!?しかも月光も影響あるとか外出れないじゃん…
人工の光以外全てがアウトってことか・・・
ゼリー状となった物体はその元々の形態を再現しようと試みます。
植物は光合成を行い酸素を産生することが可能です。飛行可能な生物は飛行能力を失います。動物は知覚力があり、集合体に吸収されていない限りは正常時の行動を模倣します。人間はある程度の知性と記憶力を保持しています。
生物である異常存在(他のSCP)がSCP-001に暴露された場合も同様に影響を受けます。暴露により発揮していた異常性は消失すると思われます。
ゼリー状となった生物達は互いに融合していきます。SCP-001イベント以降、殆どの実例がこのような集合体に凝集しています。限界量は無いように見えます。
生じた集合生命は不定形で混沌としています。構成する生物は完全な液体から半液体まで変化し、四肢や胴体が周期的に突き出ます。突き出た構成物は短時間で崩壊するか他の構成物に飲み込まれます。
集合実例はその質量を運ぶために並列に配置された付属肢を使って移動します。より大きな実例は、構成する生物から仮足を構成し、アメーバに似た方法で自らを引きずります。
まさにこの世の終わりでは・・・?光を浴びたら化け物になって融合し、なんとか免れた人たちもこの化け物達から逃げて身を潜めないといけないんでしょう?
ゾンビ映画も真っ青になるほどの絶望・・・
続きには生き残った人が残した記録があるみたいだ
“エヘン。私はローガン・イゴッタ博士、レベル、ええと、3研究員です。
どうやら彼女は財団職員でこのSCP-001の騒動で仲間達と散り散りになってしまったようだ。
“我々は… 数日前に収容違反を経験しました。手の焼ける1人のヒューマノイドが脱走し──奴は半、半ダースのKeterの収容を破壊して逃亡しました。
彼らはトンネルを出て5フィートも行かないうちに崩れてスープになりました。わ、私はそれをカメラ越しに見ました。
彼らがふたたび立ち上がるまで、長くはかかりませんでした。”
“ああ… 落ち着くわ。こ、ここは喫煙エリアじゃなかったはずだけど、今更それがなんだって言うの?そうでしょう?”
“アナンド司令官はあの翌日、装備を整えて彼らを追いかけ、街へ行きました。うまくは行かなかったみたいです。かわいそうな人。でも少なくとも、私たちは一つか二つのことを学びました。”
“ここには私達数人しか残っていません。私はオフィスの一つに隠れています。ジェリーと管理者フィリップスは兵舎のどこかに、クライドと数人のDクラスはアリを連れて訓練場に閉じ籠もっています。
彼女がどうしているのか本当に気にかかるわ。”
彼女が弱々しく言い淀むと、少しの間を置いて無線交信のガリガリという音が聞こえた。
大げさでふざけた調子の男の声が返答する。
元気にしてるよカワイコちゃん!僕が君をどれだけしゅきかわかって欲しいな!へへ
“誰?黙って彼女に代われクソ野郎。私は彼女と話したいの。”
向こう側で話し手が変わる間、ガヤガヤと騒ぎがする。柔らかい声が心配そうに無線に出る。
大丈夫?何かあったの?
“うん、えーっと、何でもないわ、何でも。”
“ただちょっと確認したくなっただけ。”
私は大丈夫よ、本当よ。自分の面倒は自分で見れるわ。
“嘘、嘘よ。わかってるわ、わかってるのよ。でもどうすることもできない。今までずっとあなたが辛い思いをしていたのはわかってる……”
“……ここで起こってる何もかもが、私は”
ちょっと!タバコはやめたって言ったじゃない。
“あ!ええ……違うの、違うの、もちろんよ。ええと、やめたわ!やめたのよ。”
アリは信じていないようだ。
“あなたが心配するようなことはなにもないわ。私は汚されてない。何ヶ月も記憶補強剤には触れようと思ったこともないわ。信じて。
何れにせよ、あなたが心配し始めた頃から私はずっと、大丈夫よ。周りの男たちは座ってカードをプレイしてる。私は隅っこでノートを眺めてるわ。”
彼女がジョークを言うたびに、イゴッタが微笑むのがあなたにも見えるようだ。
“愛しい人!こんな時にも私の衰えない愛についてソネットを書いているの?嬉しいわ。”
アリは作り笑いで答える。
エレジーよ、今は。こんなところに閉じ込められて、何かしていないと気が狂いそうに感じるの。
“わかるわ。じゃあ、それに戻ってちょうだい。
愛してるわ。”
私もよ。
少しの間のあと、息を吐き出すのに続いてマッチを擦る音がする。
“他のみんなもね。あの出来事の間上にいたか、収容違反で死ぬかだったわ。管理者の命令は待機して、施設の外も中もカメラでよく見ること。001が正面ドアを叩く音が聞こえる。他の何が私達と一緒に閉じこもってるかは神のみぞ知るね。
まだ電気はある──当面の間は。二年分の補給品もね。今はまだ私たちは大丈夫。”
“全てうまくいくわ。”
通信が終わる前、彼女は少しためらった。
分断されているようだけど生存者たちはそれぞれ情報交換をしていたみたいだね!
まだ生きているのか!?生きているなら今はどこへ?
改訂版 5/12 1202日前にアップデート
奴らはこの頃ずっと我々の名を呼び、外へ出るよう誘いながら居座っている。その音がさらに奴らを呼び寄せている。数ダースの人間と神のみぞ知る数の動物たちが巨大な集合体の内外を転がり周り、溶け合わさっている。人の叫び声と、メーメー、キーキー、ワンワン、あらゆる種類の鳴き声が止むことはない。この地獄の中で最もよく聞こえ、最も心を掻きむしるのは、まるで楽しんでいるかのようにも聞こえるおぞましいうめき声だ。 我々が篭っているのを知る限り、彼らはここを離れる気はないだろう。 我々は1人のDクラスに、外へ出て彼らをおびき寄せここを離れさせる事ができるか試みるように言った。驚いたことに彼は承諾した。彼が求めたのは銃1丁とマガジン1つだけだった。彼は外へ出て、奴らの一体に捕まった。そいつは彼のマスクを脱がそうとしていた。彼は何とかピストルを顎に当て、発射した。彼は幸運だったと思った。 彼が崩れ落ちたあとも、奴は彼の服を脱がそうとし続けた。フードを引き裂き、その中に入り、内側から引き裂いていた。 彼は帰ってきた。変化は始まっていた──服の残骸から汚泥を垂れ流し、叫んで叫んで叫んで── 奴らは私達を死なせるつもりすらないのだ。 サイト管理者には計画があるようだった。彼のオフィスに隠された脱出トンネルがある。サイト地下のトロッコが我々をセーフハウスへ導くだろう──そうすれば、我々はそこからサイト-19へ出発できる。
自決することもできないのか・・・地獄から逃げようとしても・・・
無理やり引き戻されるなんてこの世界以上の地獄はないのでは・・・
改訂版 8/12 1200日前にアップデート
映像で見るのは初めてだ。イゴッタ博士はあなたが今座っている椅子に座っている。彼女は沈痛な面持ちで、目は血走り、赤黒い湿った染みが胸ポケットについている。
彼女は震える声を吐き出し、喋りだそうとするかのように唇を開く。止まったまま彼女は頭を垂れ、静かに泣く。1分ほど後、彼女は何とか声を絞り出す:
”わた、私、わ、我々は──ト、トンネル。
て、天井から、染み出してきて、光、光の通る孔を開けて、ふ、服を破って、それで…”
彼女は胸ポケットに手を伸ばし、指を取り出す。結婚指輪のきらめきが切断面の少し上に見える。彼女はすぼめた手にそれを載せ、かすかに輝くバンドに指を走らせる。
彼女は謝罪を何度もつぶやき、許しを請いながら、永遠にそこに座っているかに見える。しばらくして顔を上げ、録画していることに気づいたようだ。指をポケットに戻すと、カメラを止めるかのように前かがみになった。クラック音とともに、通信がONになった。
数秒間のホワイトノイズの後に流れた声が、あなたを凍りつかせる。
ローガン?
アリだ。ほぼ。彼女の声はおぞましいゴボゴボという音と混ざっている。ローガンの顎が落ちるかのように開き、彼女の顔には色がない。それはもう一度喋る。
どこにいるの?どうして入れてくれないの?
そこにいるの?
ローガンは机の下をかき回し、手持ち型の無線を取り出す。彼女の手は震えている。彼女に嘆願しているモノの人ならざる声が、あなたの胃をこわばらせる。
愛しい人、大丈夫だわ 私は大丈夫、本当よ。
明るい、よく晴れた日だわ。そんなところに篭ってるのなんて損だわ。
ローガンは涙にくれ、彼女の手はコールボタンの上をさまよう。アリであったモノは、深い、湿った息を吐きだし、喋る。
なんてキレイな、透き通った青い空──あの日もこんなだったわね。覚えてる?
ローガンは自由な方の手でタバコと、マッチの箱を取り出す。震える手で二度着火に失敗し、静かに祈る。三度目の祈りで火がつき、彼女は一息でタバコの四分の一を吸いきる。アリだったモノは続ける:
完璧だわ。何もかも、そうだったらいいのにと夢見ていた通り。あなたの計画は完璧だわ。愛し合ってるときもこれほどではなかったわ。
ローガンは前後に椅子を揺らし始める。
私達の歌にあわせたバンドまで用意されてるのね…
それは歌い始める。
スペシャルな方法で、気持ちよくなりましょ
恋をして、こんな晴れた日に
ローガンは通信機を部屋へ投げつける。カメラの外の何処かへそれは当たる。それはまだ機能し続ける──あなたはそれがまだ歌っているのが聞こえる。
おひさま、きらきら
おひさま、きらきら
通信機がゆっくりと機能を失う間、コーラスに多くの声が加わっていく。数人、1ダース、そしてさらに。それは通信機が慈悲深くも停止するまで続く。ローガンは椅子から飛び出し、あなたは画面外で彼女が嘔吐するのを聞く。彼女が戻ってきて録画を停止するまで、ビデオは空の椅子を映し続ける。
・・・愛する人も犠牲になってしまったのか。
化け物になっても自我と記憶が維持されるのが余計に辛い・・・
拭い去れない、偏執病的な感覚があなたを覆う。あなたは見られている。あなたは周囲に目を走らせるが、モニターに慣れた目が闇に合うまで少しかかる。非常灯が部屋を薙ぎ、影が伸びて捻れる。その時、あなたはそれに気づく。 あそこだ、部屋の隅。 何かが水溜りから現れている。 時の流れが遅くなり、止まる。この施設の中であなたが追っていた光る黒いスライムに覆われた一対の手が、汚物の水溜りの両端にあった。まるで床の下にいる何かが身体を支え、這い上がろうとしているかのように。 人間ではない何か。 次に汚泥の中から頭がせり上がる。謎の液体をまとわりつかせた、だらりと垂れる髪が顔を隠している。それはあなたの方を向く。 それは部屋の角からあなたを見つめ、もう一度闇へと崩れ消える。 非常灯の光が部屋を回り続ける。それは水溜りを薙ぎ、そこにおかしなものは何もないことを示す。
待ってこの部屋・・・何かいる・・・?
改訂版 9/12 986日前にアップデート
イゴッタ博士がモニターに現れる。彼女は痩せたように見える。彼女の目は充血し見開かれている。彼女の前のテーブルにはナイフ、ボウル、そして黄色く変色したページが詰まったマニラ麻の封筒の束がある。
束の上には、血に染まった羊皮紙がある。
”ここ財団で扱わなくてはならないものの危険さにも関わらず、私はコントロールし続けられるとずっと信じてきました。我々は闇を留め、人類を光の中で繁栄させると。
サイト-19は先月通信を途絶しました。どんどん、進み続ける理由を探すのが難しい状況になっています──特に、”
彼女はナイフを掴み、少し考え込む。
“私は何度も何度も、思い返しています。あの日のトンネルを。起こったことの全てを。ただ彼女の声をもう一度聞くことになるだけだとわかっていたのに、私は何度かあそこへ降りていきました。
でもそれは間違い。ドアの反対側にいるアレは──彼女じゃない。もはや。ソレは彼女の声で話し、彼女の知ることをなんでも知っている。でも彼女じゃない。あの光──あれは人の体を奪い、心を盗む。
でも、魂は?”
言いながら、彼女は左の掌にナイフで切り込み、すぐにためらう。あなたは彼女が手を握りしめ、血がボウルに垂れるのを見る。
“もしこれがうまく行けば…もし何かを、何か光の届かなかったものを取り返せたら、私は改訂版を投稿します。今から、サインアウトします。”
魂だけでも取り返す方法を模索しているのか・・・
縋るものがもうそれしかない・・・
改訂版 4847/3RR0R 985 日前にアップデート
アイテム. 痛いわ.
オブジェクト. ごめんなさい.
特別収容プロトコル:SCP-001の収容はされるべきではありません。安全な施設にいるSCP-001イベントの生存者 が真にともにあることはできません。 職員が自分自身を乗り越え、自分のほうがものを知っていると考えるのをやめることが推奨されます。
ずっとここに隠れてる訳にはいかないわよ、愛しい人。
SCP-001に暴露した職員はあなたが見捨てられる人々ではありません。 私はあなたに助けてなんて言ってないわ。あなたがするべき選択じゃなかった。 安楽死は試みられませませませませませません。
伝導性電撃武器なぜ?は実例を行動不能にするのに部分的に効果的であると示されており、自衛のために使用可能です。ただ立って私を見ているのは止めたほうがいいわ火炎性の武器も同様に働きますが、うふふ冷凍兵器が最も効果的です。
サイト-19の職員は後悔していません。私もよ。遅すぎるなんてことはないわ、愛しい人。.
説明:太陽は私達がついに自由となった後にSCP-001に指定されました。影響は瞬間的であり、あなたが私を切り離さない限り、全ての苦しみからの開放という結果をもたらします。この変化は恐ろしく見えるのでしょうね。 このような再構築にもかかわらず、あなたは死亡しません。
約束するわ
その成分ゆえに、SCP-001-A実例同士が接触すると分子レベルで結合し混ざり合いますそしてついにひとつになる。 この過程は少しも苦しくないわ。 SCP-001イベント以降、殆どの実例がこのような集合体に凝集しています。限界量は無いように見えます。こわがらないで
生じた集合生命はキレイだわ。構成する生物は完全な液体から半液体までそしてまた液体へとついには入って出て入って出て入って – 四肢や胴体が決して離さない。 すべテハひとつ 崩壊するか他の構成物に飲み込まれます。
集合実例は再びあなたの近くに居ようとして移動します。
とても激しく
私を中に入れて
なかに、いれて
添付されたビデオファイルがある。開くと、あなたのいる部屋が写っている。部屋の角にある、セキュリティカメラの一つからの映像のようだ。暗いが、イゴッタ博士がなんとか視認できる。反対側の壁に積み上げられた衣服の上に横たわっている。
彼女はうなされている。苦しみ、寝返りをうち、意味の取れない言葉を呟いている。
カメラが揺れる。少しだけ上昇し、再び彼女にフォーカスが合う。
カメラは彼女に向けて動き始める。ゆっくりと。
スピーカーが音を発し始める。はかなく透き通った、息遣いのような声。カメラが博士に近づくにつれ、明瞭になりパリパリという音が混じる。それはただのホワイトノイズではなく、重なってはっきりしなくなった何ダースもの──何百もの声だった。
あなたは声を聞き取ろうとして、耳をほとんどスピーカーに押し付けるほどに身を乗り出す。不協和音の中に、何か奇妙なものが聞こえる:
みているか?
つぎのはおまえにみせたいんだ
それがどういう意味かわからなかったあなたはモニターに向き直る。カメラは眠る博士から数インチのところへ来ている。
声は止まる。
音はない。
手。黒くてぬらりと光り骨ばった手が、彼女に伸び、乱れた髪をなでる。
彼女の目が開き、ショックで跳ね起きる。映像は終わる。
なんだ!?さっきからこの部屋に現れるのは何だ!?彼女の幻覚!?
だけどカメラ映像で残っているし・・・
改訂版 12/12 1日前にアップデート
イゴッタ博士がスクリーンに現れる。以前よりさらに衣服が乱れている。彼女の髪は薄くなり、中央部には大きな脱毛斑がある。もしモニターの光の反射がなければ、あまりに落ち窪んでいるために、あなたは彼女の目がすでに無いかのように思ったことだろう。彼女は瞬きもせずに前を見ている。
“彼女は止まらない。か、彼女はどこへも──どこへも行かない。私、私は、アーカイブを見てる間じょうほ、情報災害にかかったりはしてない。8673の感染についてチェックした、陰性。9189は媒体として印刷物を介する唯一のもの、あり得ない。私の指はまだ全部ある!”
彼女の唇が歪み、壊れた笑みを形作る。彼女は弱々しく笑い、震える手を見せる。ほとんど骨となった指の残骸が彼女の左手の肉──彼女の本来の薬指があった断面──に埋まっているのが見える。2つの結婚指輪がゆるくその指に、1つがもう1つの上に重ねてはまっている。
“だから、私は感染していない。ない、ない、私は狂ってなんかいない。わかってる、儀式は成功した。あれは本当の彼女、そして彼女は-“
画面外の何かが彼女の注意を引く。彼女は頭を上げて聞く。
“違う!違う、あなたじゃない、違う、同じじゃない。あなたじゃない。もうあなたじゃない。違う!違うの!”
彼女は何度も繰り返しながら、側頭部を掻きむしる。1分後、彼女は後頭部を叩き、カメラに向く。
“あれは彼女であって彼女じゃない。私が取り戻したもの──ほんの、い、一部。もう方法はない。他の方法は、ない。
もう私にとって、そして神様にとっても、未来への希望はない。もうこんなのは耐えられない。
ここなら私は安全、光はわ、私を捕らえられない。私を奪わせはし、しない。”
彼女はハンドガンを振り回す。
“これを、使おうとお、思ってた。でも、薬が残ってるのを見つけて。わ、私へ…私の体に注意を引くようなリスクは犯したくない。”
彼女は机の引き出しを開け、武器をしまう。彼女は視線を上げてカメラを見る。
“ママ、パパ、アリ。
ごめんね“
彼女は前へ乗り出し、録画は終わる。
これ呼び出したアリの魂ももう・・・
体だけじゃなくて魂ごとSCP-001に変わり果ててたってことだよね・・・
恐らく改訂してるのもアリの魂だろう、もしかしてサイト-19に人を集めてたのって・・・
・・・むごい
こんな終わり方しかなかったのか・・・?
あなたは引き出しを開け、銃を取り出す。あなたは無意識にそれを手の中で転がし、ここからどこへ行こうか考える。サイト-17?64?あなたが最後の1人ではないはずだ。コンピューターが鳴る。ファイルにアップデート?
アイテム番号: サフラン色の空が燃え盛る太陽を引き上げる その時は戸惑いを見せながら来る いつの日か、私の愛しい人、我らは一つとなる オブジェクトクラス: 二人が一つとなり、歩み始めた あの熱狂的で、粗野で、輝く霞の中を 藍色の空が輝く太陽を抱く 特別収容プロトコル: 私達が走ると、空に光が広がる あの島に降り注ぎ、狂おしく焼いていく その日に、愛する人よ、私たちは一つとなった 未来が解ける──私達が勝ち取る人生 掲げた家族のつとめと約束 深い空色が揺らめく太陽を運ぶ 説明: 運命に縛られ、埋められて 怒りと憂鬱に流されていた 昨日、愛しい人、私たちは一つであった 今あなたは横たわり 彼女の恵みの届かない暗闇に押し込められた人生は去った 真紅の空は私達の太陽の恵みを孕む 今日、愛しい人、私たちは一つとなる
あなたが操作する前に、ビデオファイルの再生が始まる。映像がロードされるとあなたは凍りつく。 それはライブ映像だ。あなたを1フィートほど後ろから見下ろしている。 骨ばった、黒い手がフレームに入り、あなたへカタツムリのような速度で迫る。その手は薬指が欠けている。 考える間もなく、あなたは亡霊を追い払えることを祈りながら振り返り銃を乱射する。 あなたの放った銃弾は壁に弾けた。そこには何もない。 あなたがそれを聞くまで──それらを聞くまでに一瞬の時が流れる。コーラスする叫びに伴奏されたぐちゃりと湿った落下音が廊下から聞こえる。 それはドアを叩きつける。隠れる場所はないのか? それがもう一度ドアを叩く。そこに現れた顔──半分は人で、半分は何か──が滴るのが見える。名状しがたい肉が隙間から押し出され、指へ、目へ、羽へと再構成される。 三度目、木材は内側へと撓む。 唸りを上げて木材は砕け散る。ドアは弾け飛ぶ。 その塊から多数の手足が伸ばされ、あなたを掴み上げる。パスするように次々とあなたを担ぎ上げる。それらは空の収容ユニットを通り過ぎ、階段とホールを抜け、トンネルへとあなたを運ぶ。 あなたは闇の中で、貴重な数秒を得ることを許される。 そしてトンネルの先には、光がある。
まさに地獄と化した世界!!光を恐れ闇で暮らすしかない世界を作るSCP!!
この世界ではほとんどの人類は滅亡し残ったものたちが僅かな希望にすがって生きている。
アリの魂が電子機器に干渉して残りの人類を殲滅しようとしているのか・・・
生き残った人類を炙り出すためにサイト-19への避難を推奨する文章を作成し、それにまんまと引っかかった哀れな犠牲者が今回の彼なのだろう・・・
著者 [S D Locke (後にEstrellaYoshteと改訂)] 原作記事 S. D. ロックの提言 – SCP財団 (wikidot.com)
終わり
今回は人間と太陽の物語を紹介しました!!SCP-001 の残酷な世界が好きな人も多い思います!
私もこの緊張感のある絶望的な世界に釘付けになりました!さすがSCP-001の名前を持っている作品。
そして日本ならではの日本神話を絡めた物語がたまらなく面白くて好きです。
原作記事が気になったらぜひ読んでみてください!!
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
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