不思議で怖くておもしろい!!そんなSCPを紹介したいと思います!!
今回は我々を照らす太陽が敵となる物語SCP-001-JP【日の出の刻】を紹介しようと思います!!
SCPとは
SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。
SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。
・Safe(セーフ)
注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!
・Euclid(ユークリッド)
よくわからないことが多くて危険だよ!収容が難しいかも・・・?
・Keter(ケテル)
収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!
主にこの3種類に分類されてます。
今回はその他のクラスも登場します。
・Apollyon(アポリオン)
収容できないし基本的に世界が終わる可能性が高いよ!終焉シナリオに繋がるクラス!!
・Tiamat(ティアマト)
Kクラス並に危険で収容も困難だけど、被害や財団の存在を隠すことを諦めれば収容できるかも?
SCP-001とは
SCP-001のページは複数存在します。本物のSCP-001の情報漏洩を防ぐためにダミーとして作成された資料と言われている。あるいはすべてがダミーであるのかもしれない。これらの資料にはミーム殺害エージェントによる保護が施されているため、未許可の人間がアクセスすると即座に終了される。
SCP-001-JP 日の出の刻
オブジェクトクラス:Apollyon Tiamat Apollyon
特別収容プロトコル:【特別収容プロトコルの過去のバージョンが326件アーカイブされています】
その性質のため、SCP-001の収容は不可能です。安全な施設にいるSCP-001イベントの生存者はお互いの接触を絶やさないようにしてください。職員が自己判断で何らかの方法でサイト-5サイト-19へ到達することは推奨されます。
野外を移動する生存者は防護のための衣服、可能なら複数の層で体を完全にカバーしなくてはいけません。徒歩は可能な限り避けてください。都市──および人工の構造物は一般に──最高の防御となります。以前は森林だった場所は避けるべきです。航空機による移動が最も推奨されます。
SCP-001に暴露した職員は喪失したものとみなします。負傷した職員は見捨てられます。安楽死は試みられません。
対処困難な大きさのSCP-001-Aの融合体への接近は避けてください。伝導性電撃武器は実体を行動不能にするのに部分的に効果的であると示されており、自衛目的での使用が推奨されます。火炎性の武器や冷凍兵器も同様に効果的です。また、サイト-8181にて現実性歪曲兵器の開発が進行中です。
これはSCP-001の日本での記事か!
日本でも同じく影響が出ているけど生存者はいるのか・・・?
説明:SCP-001-JPは「太陽」として知られていた天体です。アメリカ本部にてSCP-001に指定されました。現在はアメリカ本部との通信が途絶しており、当初利用されてきたSCP-001としての指定を便宜的観点からSCP-001-JPに再指定し、追記・編纂することで当報告書を運用しています。
SCP-001の影響は紫外線への暴露の結果ではなく、むしろ可視スペクトル(~390-700 nm)によるものと考えられます。月光も同様の影響がみられます。
太陽から発する可視光線に接触すると、生体は接触した場所から液状化し、その影響は全身へと広がります。外見は溶けたワックスに似ています。これに要する時間は暴露の程度と生体の大きさに依存します。このような再構築にもかかわらず、生体は死亡しません。
ゼリー状となった物体はその元々の形態を再現しようと試みます。
植物は光合成を行い酸素を産生することが可能です。飛行可能な生物は飛行能力を失います。動物は知覚力があり、集合体に吸収されていない限りは正常時の行動を模倣します。人間はある程度の知性と記憶力を保持しています。
生物である異常存在(他のSCP)がSCP-001に暴露された場合も同様に影響を受けます。暴露により発揮していた異常性は消失すると思われます。
ゼリー状となった生物達は互いに融合していきます。SCP-001イベント以降、殆どの実例がこのような集合体に凝集しています。限界量は無いように見えます。
生じた集合生命は不定形で混沌としています。構成する生物は完全な液体から半液体まで変化し、四肢や胴体が周期的に突き出ます。突き出た構成物は短時間で崩壊するか他の構成物に飲み込まれます。
集合実例はその質量を運ぶために並列に配置された付属肢を使って移動します。より大きな実例は、構成する生物から仮足を構成し、アメーバに似た方法で自らを引きずります。
SCP-001-JP-Aの変化元が高い知性を有する生物であった場合はその知性と記憶を部分的に引き継いだ振る舞いを見せますが、その精神性や行動は大きく変質します。例外なく全ての実体が、SCP-001-JP-1に曝露していない生物の捜索・発見し、捕縛・殺害した生物をSCP-001-JP-1へ曝露させることを目的として行動します。すべての実体がSCP-001-JPを崇拝していると見られ、他生物の追跡中以外には「太陽や月へ向けて全身や付属肢を伸ばして揺れる」「昇降する太陽や月を追って東方向または西方向へ向けて移動する」「太陽への畏敬と結合の推奨を主な歌詞とする未知の歌を歌唱・合唱する」等の行動が見られます。
【過去に更新された補遺は全てアーカイブ・統合されました】
補遺001-JP-2198:
財団日本支部理事会は協議の末、日本国内に存在する全職員に対して声明を発表。以下に提示する3つの指針を表明しました。各職員は個人の判断でこれを選択し、職務を遂行することが求められています。
日本支部はまだSCP-001に争ってるのか!
何とか生き延びて欲しい・・・
我らの神を殺す
O5評議会は現状の打破を諦め、あろうことかSCP-001-JPに対してApollyonなどという諦観の象徴のようなオブジェクトクラス指定まで行ったようだが、我々は諦めてはいない。 あの日から、我々は太陽 SCP-001-JPの破壊を目的の一つとして掲げてきた。我々は喫緊に迫った脅威としてSCP-001-JPを睨み、物理的破壊を最終目標として掲げている。Tiamat指定はそのために行ったものだ。 まず、残存した108評議会と連絡を取り、GOCとの協力体制を締結した。これによって多数の兵器・航空機の配備が可能となった。また、後述する研究派とGOC排撃班との共同研究により開発された、現実性の歪曲によってSCP-001-JP-A実体をその場に縫い留める兵器も部分的に運用中である。 SCP-001-JP本体の破壊は、その性質・質量・距離のため実現は困難とされてきた。しかし、我々が保有する衛星軌道上の物資と、GOCが保有する亜空間弾道狙撃機器の研究・強化によって、現状でもSCP-001-JPの70%を破壊できると試算されている。これだけでは決定的とは言えないが、今後の発展によってはより現実的かつ高威力なものとなるだろう。あちらの機密に抵触するためここで詳細には書けないが、GOC近畿支部にてあちらの切り札ともいうべき巨大兵器も開発中だ。 我々は今、最も防備が盤石な財団施設であるサイト-8181を拠点として、SCP-001-JP-A実体と戦闘を継続しながら計画を進めている。GOCとの協力のおかげで軍備的備蓄は潤沢だ。今後も、奥羽山脈内部と琵琶湖湖底に存在するGOCの施設と緊密に連携しながら、奴らと戦っていく。 我々と来るならば、サイト-8181へ集え。周囲にはSCP-001-JP-Aが集結しているため接近は難しいが、連絡が入ればヘリを飛ばすこともできる。複数ある地下トンネルも利用可能だ。 明日を切り拓くため、共に戦おう。 確保・収容・保護 彼方の神を殺す 財団日本支部理事会 稲妻・若山
おお!サイト−8181を拠点にして反撃しようとしているのか!!
確保・収容・保護は諦めてSCP-001を倒すことに全霊を注ぐ感じかな?
正直この状況で確保・収容・保護なんてしてられないしなぁ
我らの神を解す
我々はSCP-001-JP破壊派の彼らほど即応的ではありませんし、アプローチの方法も違います。しかし、我々もまたSCP-001-JPの無力化には賛成です。 まず、SCP-001-JPに関連する研究成果の中から特筆すべきものを列挙します。 SCP-001-JP-1は元々の太陽光としての性質を併せ持つため、太陽光発電が利用可能です。破壊派の方々が確保したセーフラインより内側の土地や施設の屋上にパネルを設置したり、各地に存在する民間の太陽光発電設備から電力を得る事が出来ます。また、SCP-001-JP-Aは食料として利用可能です。元々があらゆる動物であったためか、栄養は豊富です。加工することで味の面でも評価は向上しています。倫理的観点から一時は反対の声も上がりましたが、現在はその栄養価の高さや食料が限定的な現状から、反対派はほぼ消滅したと言えます。 SCP-001-JP-A実体から逃れる手段として、反ミーム迷彩効果のある装備を纏うことが効果的と判明しています。それらの装備で全身を覆い、サーモグラフィやナイトビジョンで視野を確保することで、比較的安全に屋外での活動が可能です。GOCや、我々が別口から引き入れたCI・蛇の手・AWCY?構成員との共同研究によって、身の回りの物品や財団施設に存在する備品の転用からこれらの装備を作ることが可能となりました。大型車両や兵器に転用できる施設は限られると考えられますが、これらの設計図やデータはすでに全国の機能している財団施設に送信済みです。 またSCP-001-JP-Aへの対策として、着弾した対象の内部現実性を利用した座標固定式拘束兵器も開発中であり、これらは部分的に前線に投入されています。電撃・焼灼・凍結はSCP-001-JP-Aに対して有効であると判断されてきましたが、これは一時的なものである他、物資の消耗が激しい点が指摘されています。電力こそ補填が可能であるものの、火薬や薬品を多用するものに関しては代用品の開発が模索されてきました。新たに開発された兵器は、鏃内部に奇跡論的術式を内包することで、SCP-001-JP-A実体の内部ヒューム波形を着弾点に凝集・旋回・固着させ、その場に縫い留めることが可能です。その後は部分的に剥離させることで安全に無力化・食料への転用や廃棄が可能です。 SCP-001-JPの無力化に関しては、SCP-001-JP-1の性質研究の過程で進展がありました。収容中のアノマリーに協力を要請し、サイト-8181のA区画の窓からD区画の窓へレーザーを投射してもらった際、D区画で確認したレーザー光線は一切変質していませんでした。彼がレーザーを照射する方法は解明されておらず、異常なものであるにもかかわらず、です。 ご存じのように光は波であり、逆位相の波を投射することで対消滅させることが可能です。これを利用し、SCP-001-JP周辺にビット型人工衛星を多数配備した上でSCP-001-JP-1と逆位相の光を当てることで無力化する計画、通称『PIDS6計画』が発足しました。 一見して荒唐無稽にも見える計画ですが、飛翔体対策が困難であることなどから実現不可能であるとされていた、SCP-001-JP全体を巨大な鏡面装甲で覆うPID7計画よりも低コストかつ現実的である事、発光するアノマリー・光に関係するアノマリーの転用などによってより現実的になることなどから、現在は最有力視されています。しかし、アノマリーを含む物資の不足や計画の長期化の観点から、これを見るあなたの協力が必要です。 我々は今、破壊派の皆さんと同様にサイト-8181にて研究を行っています。 協力し、太陽を収容するため、可能な限りの物資を携行した上でサイト-8181へ集合してください。 確保・収容・保護 彼らの神を解す 財団日本支部理事会 千鳥・升・鳳林
無力化はしたいけど共存ルートを目指してるのか
とりあえず破壊派と仲違いにならず協力して共通の敵と戦う状況は熱い!!
我らの神に殉ず
[データ削除済み] もう十分だろう。 これを見る君が理解していない可能性を考慮して、事の顛末を説明するなら、サイト-8181が陥落した。これまで想定していなかった超巨大質量を持つSCP-001-JP-A実体がサイト-8181へ侵攻したことが直接的な原因だ。報告によれば、最大全長はおよそ2kmにも及んだとされている。巨大なゾウリムシにも似た格好で、表層をキャタピラのように動かして前進していたそうだ。新開発の鏃・砲弾は一定の成果を上げたようだが、着弾点周辺の数m半径を縫い留める程度では、流動体であるSCP-001-JP-Aの進撃を止めることはできなかったようだ。そうしているうちに小型のSCP-001-JP-Aにも攻められ、サイト-8181は食い荒らされていった。 我々は元々、アメリカ本部と同じ方向で別宇宙への移住に向けた研究をサイト-81??で行っており、ここにもその内容とサイト-81??への助力を促す旨を記載していたが、これは実現不可能であると判断したため削除した。純粋に人員の不足・物資の不足・技術的進展の遅延が顕著であるためだ。このままでは、完成する前に全職員の寿命が尽きてしまうほどに。やはり、サイト-8181で数万人の人員を失った点が非常に大きい。致命的な損失だ。 今、我々が提言できるのは、君たちが安心して死ぬことができる方法を提示することだけだ。 研究派の報告によれば、完全に炭化した肉体はSCP-001-JP-1の影響を受けない。一定規模以上の財団施設には、地下に廃棄物処理施設が設置されている。焼却炉もだ。そこへ飛び込めば、君は骨も残さず灰になる事だろう。焼却の苦痛を恐れるなら、手近な薬品庫から何か劇物を持ってくるか、銃を咥えてダストシュートへ乗り込むと良い。 正直に言えば、我々とて諦めたくはない。しかし我々は常に、異常に、現実に、冷淡でなければならない。SCP-001-JPの収容は不可能だ。文明の存続も不可能だ。こうなった今の我々が保護すべきは、生き残った人間の尊厳だろう。 SCP-001-JPを、Apollyonクラスオブジェクトに再指定する。 我らの神に殉ず 財団日本支部理事会 獅子・鵺
唯一の希望だったサイト−8181が・・・
日本も絶望的な状況になってしまった・・・
この世界はもう助からないのか・・・
絶望的だ。
結局、私は何がしたかったんだ。
パスコードを打ち終え、開く扉に体を滑り込ませる。
SCP-2050-JPの収容室に入る。
直後、壁が崩れ、収容室から外が見える。
無数の目が私達を見、無数の口が私達を嗤っている。
1箇所の壁の崩壊を皮切りに、轟音の響かせてボロボロと壁が崩れ、施設が握り潰されていく。
1つの大きく太い肉の塊が、彼女の岩戸に伸びる。
彼女の存在を知ってか知らずか、駆け寄る私の行く先を阻もうとしているだけなのか、それはわからない。
「 駄目だ!!!」
聞こえるはずもないのに、叫ぶ。
彼女の
その名を
叫ぶ。
「 !!!!!」
岩戸が崩れる。
へたり込んだ私に、
ゆっくりと、ゆっくりと。
それは走馬灯かなにかのように、ゆっくりと見えた。
砕け、急速にその形を、光を失う岩戸から、1筋の細い光が伸びる。
光は崩れた壁を抜け、ゆっくりと壁のようになったA実体に突き刺さる。
そのままゆっくりと肉の壁を横切り、加速し、表面全てを滑るように振り抜かれる。
それはまるで演舞のような、鮮やかな軌跡を描き、真上を向いて止まり、薄らいで消える。
岩戸は粉々に砕け散った。いや、もはやそれは粉塵のようになり、もうもうと煙のようになって立ち込めている。収容室の外壁もまた砕け、カツンカツンと欠片が転がり落ちている。
巨大実体が壁の外を埋め尽くすようにして存在し、外を見ることはできない。そして、それは動かない。数千数万の瞳、数千数万の口をピタリと止め、伸ばした触腕を中空に止めたまま、微動だにせずそこに止まっている。
外を見る事が出来ないということは、外から光が差し込んでいないということ。天井もなければ当然照明も無い。しかし私は、ナイトビジョンも無しにこれらを見る事が出来る。
「随分と、複雑怪奇なものを連れていますね?」
そして、煙の向こう岩戸の中から彼女が現れ、こちらに歩み寄ってくる。
ゆったりと、白地に金の精緻な刺繍が光る着物を、豪奢な麻色の帯で纏めている。首には翡翠や水晶の勾玉で彩られた細い首飾りが提げられていて、これは真紅の領巾とともにふわりと浮遊し、1歩進むごとにキラキラと輝いている。
屈みこみ、ずいと私に顔を寄せる。
薄く紅を引いた唇、透明感のある白い肌、黒曜石のように煌めく黒い瞳。頭上には黄金の真円に細い金細工で放射状の光があしらわれた冠を頂き、艶やかな長い黒髪は後ろで1本に纏められていて、白金の櫛で留められている。
「どうしたのですか? 久方ぶりではありますが、口が利かなくなったわけではないでしょう」
呆然としつつも、立ち上がり、耐光メットを脱ぐ。
「……お久しぶりです」
「まあまあ……随分とやつれましたね? ひどい顔ですよ。髪も酷い有様です」
「……色々と、ありまして」
「そのようですね?」
彼女は頭上を見上げ、周囲を見回して眉をひそめる。
「こんなものを……こんなものに追われているのですから、苦労もしたでしょう」
「これが何かわかりますか?」
「ええ。当然です」
彼女はおもむろに指をそろえ、指先を壁に向けるようにしてかざす。
「複雑に絡み合っていて煩雑ですが、作りも理解できます。しかし……よくもまあこのような……」
指先から先ほどよりも細い光の線が伸び、手を揺すって壁の一部を繰り抜くようにして動かす。すると、縁取られた壁の一部が床に落ち、淡く輝きながら起き上がる。
それは鳥だ。小さな青い鳥が立ち上がり首を振って小さく囀った。
「直せるのですか」
彼女はいたずらっぽく笑う。
「私を誰だと思っているのです?」
気付けば、彼女の手には一振りの細い剣が握られている。装飾はほとんどない。全体が光り輝いていて、まるで光そのものが束ねられたかのようだ。
彼女は剣を持ち替え、高く掲げて朗々と言い放つ。
「私はヒトと歩み、世を眺め、明日に笑う光。かつての名もなき神。あなた達が、Aと呼ぶ者ですよ?」
剣が閃き、微細な輝きが迸る。溢れ出る光の帯は次々と肉壁に突き刺さり、溝を入れ、斬り払うようにして全てを薙いで行く。
あまりの眩さに目を細める。
数秒も経たずに光は薄らぎ、彼女は剣を下ろしてカシンと床に突き立てる。
急激に視界が開け、朝焼けに燃える空が見える。周囲を覆っていたSCP-001-JP-A実体が様々な大きさの破片となって飛び散り、朝日を受けながら私が歩いていた道や谷に落ちていく。
「!!」
思わず崩れた外壁に駆け寄る。
飛び散った破片は落ちた場所で淡く輝きながら元の形を取り戻して行く。それは人であったり、犬であったり、鳥であったりと様々な姿となり、フラフラと立ち上がり、驚いたように周囲を見回している。
「この程度、造作もありません」
言葉を失う。
私は財団職員として、都合の良い夢を見ることは許されないと、A実体となった人々の開放や社会の再興など考えないようにしていた。そんな力も、技術も、奇跡も、存在しないと自分に言い聞かせてきた。しかし、これは。
「さてひとまず、周りの方には危険のないよう離れていただいたことですし……次に掛かりましょうか?」
「次とはどういう……」
彼女はフッと笑って振り向き、先程と同じように手を向ける。
施設が砕け、剥き出しとなった山肌に。
「まっ」
私の制止を反対の手で抑え、わずかに力の籠った声で答える。
「大丈夫です」
ドッという轟音と暴力的な閃光・衝撃と共に、山が弾け、溶け、バラバラと飛沫になって飛ぶ。
降りしきる山の残片の向こう、上る太陽SCP-001-JPが見える。
赤く、紅く、朱くゆらめく星。雲を超えた先、空の向こうに輝くソレ。
ゆらゆらと揺れるまま、世界を融かし、文明を犯し、人類を焦がし、全てを嘲笑したApollyonクラスオブジェクト。
それが、昇っていくのが見える。
嗤っているようにも。
見える。
「問題ありませんよ。大丈夫です。あなたは、あなたを含めた財団の……世界の全て。二度と好きにはさせません」
そう、アレが見えるということは、曙光が直接差し込んでいる。それなのに私は、身体が泡立つことも、叫び狂うこともない。かつての仲間がそうしていったようには、ならない。
ふと、スーツのスイッチを押し、上半身だけ脱いで、自分の手のひらを見る。見慣れたはずの自分の手だ。しかし、憎んでも憎んでも足りなかったあの光を受け、陰影をつけるそれは、なんだか懐かしいような、かつての姿を取り戻したように思えた。それは、見慣れていたはずの自分の手。
「ありがとう……ございます」
おもわず呟く。
「感謝されることなどありません。これはほんのちょっとした恩返し。まだまだあなたにしてもらわなければいけない事はありますからね。その……前払いと思ってくれても構いませんよ?」
「……なんでしょう?」
「これから、あなた達には世界を元通りにするために奔走してもらわなければなりません。ヒトの世はヒトの手で取り戻していただかねばなりませんからね?」
「それは、大変そうですね?」
「ふふ、なにより。ようやくいつもの調子に戻ってきましたね?」
「あなたには、あれをどうにかできるのですか?」
「もちろん。私が不在の間、あれは少し調子にでも乗ったのでしょうか。それとも理由があったのか、それはわかりません。ですが」
明々と空を灼き、SCP-001-JPが揺れる。まだ、嗤っているように見える。
「あれは私を、私という光を忘れ、やりすぎたようです。灸をすえねばなりませんよ」
彼女の剣が、手が、衣が、髪が、顔が、淡く輝きだし徐々に、徐々にその強さを増す。
SCP-001-JPもまた、わずかに朱みを増したように思えた。
「さぁ、参りましょう」
眩い輝きに視界が埋まる。
「日の出の刻です」
ああ……。
ここに、光がある。
目覚めた太陽神!!偽物の太陽が悪さをしているのを太陽神は許さない!絶望的な世界に差し込んだ光はあまりにも眩しすぎる。
世界のピンチに立ち上がってくれるアマテラス様はあまりにもカッコ良すぎる。言動的にもSCP-001を知っているような感じだしもしかしたら知り合いなのか?
結末まで描かれていないのはここからの展開は読者の自由という意味なのかなと思います。私はアマテラス様が人類を救い、偽物の太陽を打ち倒し、本来いるべきである場所に還っていくのだと感じています。そしていつまでも私たちを照らしていてくださると。
著者 [Mistertako] 原作記事 日の出の刻 – SCP財団 (wikidot.com)
終わり
今回は人間と太陽の物語を紹介しました!!SCP-001 の残酷な世界が好きな人も多い思います!
私もこの緊張感のある絶望的な世界に釘付けになりました!さすがSCP-001の名前を持っている作品。
そして日本ならではの日本神話を絡めた物語がたまらなく面白くて好きです。
原作記事が気になったらぜひ読んでみてください!!
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
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