【生存権】生きる活力を失ったもう一つの世界?電波塔の上に広がる異空間SCP!!

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今回は電波塔の上にある違う世界SCP-062-JP生存権を紹介しようと思います。

Ylli BajramiによるPixabayからの画像

SCPとは

SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。

SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。

Safe(セーフ)
 注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!

Euclid(ユークリッド)
 よくわからないことが多くて危険だよ!

Keter(ケテル)
 収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!

主にこの3種類に分類されてます。

今回はその他のクラスも登場します。

Neutralized(ニュートラライズ)
 故意または過失によって破壊されたもしくは無力化されて安全になったアノマリーだよ!!

SCP-062-JP 生存権

Art-x A.I artxaiによるPixabayからの画像

オブジェクトクラスKeterNeutralized

特別収容プロトコル:SCP-062-JP-1の周囲には常に2名以上の警備職員を配置し、遠隔カメラで梯子を中心に映像を記録します。以前の収容手順は添付資料を参照してください。

SCP-062-JPはその大規模な影響範囲から、完全な封じ込めは困難であり、影響範囲から一般市民を遠ざけることに重点が置かれています。主な対応策として、キャリアの多発地帯であるSCP-062-JP-1周辺の土地を、財団傘下の企業に可能な限り買い取らせます。

買い取った土地には、高層マンションなどの大型施設の建造を理由に、可能な限り騒音を発生させ、近隣住民の退去を促します。また、当該地域の送電施設を抑え、定期的に1時間から2時間の停電を行います。

これにより電子機器の使用頻度を下げるとともに、当該地域からの退去を促します。同時に、SCP-062-JP-1を中心とした公共の文字案内には、外国語の併記などで可能な限り空白を減らします。SCP-062-JPによるキャリアの死亡は現在のところ防ぐことができないため、周辺の病院施設に財団所属の医師を送り、その事後処理を担当させます。

このSCPは広大な範囲を持ってるみたいだね。
収容は不可能なのかな?

説明:SCP-062-JPは、広域に及ぶ致死性の認識災害です。

SCP-062-JPは、SCP-062-JPキャリアとなった対象者にのみ、認識できる文字情報として現れます。SCP-062-JPキャリアは、SCP-062-JP-1を中心とした、半径???kmにわたって発生することがわかっています。

SCP-062-JPキャリアとなった場合、紙やモニタなどといった文字情報を投影できる媒体を視認した際に、一定確率で認識災害を引き起こす文字列(以降SCP-062-JP-2と呼称)が現れるようになります。

SCP-062-JP-2は、一見して裁判の判決文のような文章ですが、内容は科学的根拠や法的根拠に欠け、現行の法務執行では作り得ない文章です。

SCP-062-JP-2の作成目的は不明ですが、キャリアの生命を脅かすという一点においては常に一貫しています。

以下は、SCP-062-JPキャリアの証言により書き起こされたSCP-062-JP-2の一例です。

被告人の左心房は、原告の保持する循環器系臓器との同一性保持権を侵害しており、その存在が原告の生存権を脅かしていることは明白であります。また、被告人の右上腕および小腸の一部においても同一性保持権を意図的に侵害しており、これを放置されれば今後侵害箇所は増加していくものと見られます。以上のことを踏まえ、被告人の保持する違法箇所を即刻没収ののち、然るべき判決を下すものとします。

SCP-062-JPキャリアはSCP-062-JP-2の視認から、およそ3日から7日以内に、身体の一部の消失という形で死に至ります。致死率は現在のところ99.8%です。

致死率高くね!?
狙われたらほぼ助からないじゃん・・・

極端な例として、耳だけを残し全て消失した例もあります。上記のSCP-062-JP-2を視認した対象者は、携帯端末を閲覧中にウェブページの間に上記の文章を発見したと証言しており、その5日後に出血性ショックにより死亡しています。

対象を解剖したところ、上記の文章に書かれた箇所が消失していたことが確認されています。

SCP-062-JP-2を視認したあとの記憶処置、影響範囲からの離脱は、消失現象の回避には効果がありません。キャリアの発生は対象者の死亡によってのみ、ようやく把握できる状況にあり、SCP-062-JP-2についての証言が得られた事例はごく少数です。

SCP-062-JPキャリアとして選ばれる対象者に規則性は見られず、その条件も詳細不明のままです。傾向として、電子機器の使用中にSCP-062-JP-2を視認する事例が多数を占めます。SCP-062-JPキャリアは、同時発生することも確認されています。

最多で1日に3人、最小でも1週間に1人、新たなキャリアが発生しています。分布として、SCP-062-JP-1に向かうにつれ、キャリアの発生が偏っており、SCP-062-JP-1が何らかの影響を及ぼしている可能性が非常に高いと見られます。

かなりの頻度でキャリアに選ばれるんだね。
犠牲者がこれ以上増えないためにも無力化しなきゃ。

SCP-062-JP-1は、???の???に存在する、現在は放棄された電波塔です。上部が常に雲で隠れており、視認以外の方法においても上部の観測を行うことができません。晴天時の観測からSCP-062-JP-1は、高さ30mほどで途切れていると見られ、その境界面から雲が発生しているように見えます。

SCP-062-JPの発生は、SCP-062-JP-1が放棄されてから約3年ほど経過した後に発生していたと見られています。当該地域において、異常な死亡事例の報告が多数あり、財団による調査の末、SCP-062-JPおよびSCP-062-JP-1が発見されました。

SCP-062-JPはその大規模な影響範囲と、人類にとって非常に有害な効果がもたらされること、現在の技術では封じ込めが不可能と見られることから、さらなる異常性の解明より優先して、積極的な無力化が試みられてきました。

無力化計画062-001:SCP-062-JP-1の物理的排除
SCP-062-JP-1全体を遮蔽壁で覆う収容措置は、キャリアの発生を抑制できませんでした。無力化計画は次の段階として、SCP-062-JP-1を解体し、無人の離島へ移転させる計画へと移行しました。

方法結果分析重機による解体失敗物理的な損傷を受け付けないと見られ、SCP-062-JP-1および土台となっている建造物には、わずかな損傷も与えられませんでした。

爆破による解体失敗同上。SCP-062-JP-1から20m離れた地面に、爆破による影響が見られました。土台ごとの移動失敗SCP-062-JP-1を中心とした円筒形に、地面にもSCP-062-JP-1と同様の性質が発生しました。地下への影響範囲は不明です。

以降の物理的排除は、審議中に当該オブジェクトが無力化されたため実施されていません。

やっぱどうやっても壊れなさそうだね
一筋縄では行かないかぁ。
電波塔を登って上部を確認するしかないかな?

無力化計画062-002: SCP-062-JP-1内部の破壊
調査により、SCP-062-JP-1中央に備えられた梯子が、外部から観測された高さ以上に、上空へ続いてることがわかりました。

SCP-062-JP-1は不可視の上部に、特異な内部空間を持つと見られ、その内部に異常性を発生させている要因が存在している可能性が指摘されました。その要因の停止もしくは排除も考慮し、異常性を消失させる手順を探るため、機動部隊が送り込まれました。

第1次派遣は結果的に失敗しました。機動部隊8名中4名が即死したと見られ、残りの4名も7日以内に死亡しました。以下はその報告書です。

第1次派遣の結果報告: ―筆記:機動部隊隊員G
SCP-062-JP-1に設置されている梯子を上り、その上部を目指しました。

上部は予測されていた高さよりも遥かに高く、段数を数えていた隊員によれば200mほどは登っただろうとのことでした。登っている最中もずっと雲の中でした。

梯子の先には、何かの建物が建っていました。大きな建物です。国会議事堂?のような古いけど、よく維持管理された建物でした。その建物の前にある、マンホールから出てきたような感じで、そこはまた別の地面が広がっていて、濃い霧の中にいました。

まずその建物に入る班と、さらに周囲を探る班に分かれました。私たちは注意深く建物の中に入りました。オブジェクトの性質から予想してはいましたが、中は裁判所のようなところでした。まさに裁判を行っている最中だったらしく、大広間を覗くと、弁護士のようなヒトがなにやら話していました。検察だったかもしれません。とにかく見た目は普通でした。

そのあとすぐに、その建物の警備員のようなヒトたちに呼び止められました。見た目も人間だったこともあり、私たちはまず姓名と所属、目的を告げました。すると彼らも特に攻撃をしてくることもなく、奥の控え室へ来るように促されました。私たちは注意しながら、彼らの案内する部屋に行きました。

そのあいだも、探索班とは無線で連絡が取れる状態でした。

控え室に着き、待つように言われたので、その間に探索班との情報交換を行いました。裁判所の周囲は、霧が立ち込めてるとはいえ、発達した街が広がっており、多少の文化的背景の違いはあれど、ほぼ私たちの世界と一緒に見えると言っていました。そこには人間も生活しており、会話も成立するようでした。しばらくすると、高そうなスーツを着た、弁護士か検察ようなヒトが現れ、淡々と告げました。『あなたたちは同一性保持権を侵害している』と。

私は危険性を感じましたが、隊長はいま少し様子を見ようと言って、彼らに促されるまま、法廷へ連れて行かれました。

まず隊長が証言台に立たされました。私たちは傍聴席に座らされました。そこでは特に弁護や検証など行われず、判決文が読み上げられました。読み上げられた判決文はSCP-062-JP-2と同様のものでした。すると、裁判長らしきヒトが『何か意見はありますか?』と隊長に聞きました。隊長は、なぜあなたたちは私たちを攻撃するのかと、聞きました。すると、座っている位置からして原告の弁護士が、『おまえたちが生存権を侵害するからだ』と言いました。隊長は、そのような権利を侵害していないし、できる限り平和的にあなたたちとの関係を築きたいと言いました。

私はそこで、気づいてしまいました。原告側に座っている、うつむいたままの原告が、隊長と同じ顔であることに。

私は半ばパニックに陥ってしまい、その部屋から退出し、トイレに向かいました。トイレで一度落ち着いて、法廷に戻ろうとしたとき、法廷から銃声が聞こえてきました。激しい撃ち合いです。私は急いで戻り、扉からそっと中を覗きました。仲間たちが、裁判官や書記や弁護士にむかって無茶苦茶に銃を撃っていました。しかし、彼らには傷ひとつ付いていないどころか、幽霊かなにかのように弾がすり抜けていました。彼らはずっと、静かにそれを見ていました。証言台には、パーツが半分くらいになった隊長が転がっていました。しばらくして、裁判長らしき物体が、『法廷侮辱罪です』と言った途端、彼らは装備と服を残して、消えてしまいました。

私はできるだけ静かに、冷静に、その場を去り、梯子からこの世界へ戻ってきました。以上です。

つまりこの空間には地上と同じような世界が広がっていてドッペルゲンガー的な人たちが暮らしているってこと?『同一性保持権の侵害』って同じ人間が複数いてはいけないって意味か。それで地上にいる人を消している・・・?

第2次派遣は、機動部隊によるSCP-062-JP-1内部空間の、大規模かつ徹底的な破壊活動が行われました。財団の保有する大量破壊兵器も用いられましたが、結果は失敗に終わりました。協議過程を経ずに作戦を承認した部隊長の処遇は現在審議中です。作戦詳細は報告書を参照してください。

第2次派遣の結果報告: ―筆記:研究員I
[削除済]

第3次派遣において大きな成果を得ました。以下はその報告書です。

第3次派遣の結果報告: ―筆記:T博士
彼らを言いくるめました。

〜完〜

いや内容は!?完じゃダメでしょ!w

追記:K博士にもっと詳細に書けと言われたので書きます。

第2次派遣作戦による影響を調査するため、機動部隊と共に私もSCP-062-JP-1内部空間へ同行しました。被害を最小限にするとか言って、隊員はたったの2名でした。梯子を上るのは大変でした。

梯子の先は、すでに彼らによって封じ込め処置が取られているようでした。フタは鉄格子に変えられ、入り口を覆うように建物が建てられていました。彼らは私たちが来たことを確認すると、鉄格子を開き、私たちを捕らえ、牢屋に入れました。牢屋といっても、拘置所のようなところらしく、他にも捕まっている人間がいるようでした。そこで数時間が経ちました。

ああ、こんなことならSCP-???-JPでもっと遊んでおくんだった、とか考えてました。

そのあと、法廷に連れて行かれ、最初に私が証言台に立たされました。報告書で読んだ通りの判決文が読み上げられ、最後に『何か意見はありますか?』と聞かれました。原告側の席を見ると、やはり私がいました。

私は、私にたずねました「そんなに生き残りたいですか?」と。

私はまるで、生きた人形かなにかのように、無表情に「はい」と答えました。その声にも、またその場にいる誰の声にも、顔にも、生きている感じはありませんでした。

彼らは権利だけを主張し、実際には生きていないのではないでしょうか。第1次派遣の報告書にも、彼らはただ歩き、ただ仕事をし、ただ眠るだけだったとありました。

私は主張しました。
私にはやるべきことがある。私だけではなく、この世界のために。危険を侵し、命をかけて、異常な存在たちから、何も知らないヒトたちを守らなければならないと。

生きる権利は誰でも持っている、しかし、生きる目的を持つものは少ない。
私は命が惜しいなどと思ったことは一度もないが、目的を果たすまで、絶対に死ねないと、できるかぎり合理的に説明しました。

彼らは静かに、しかし驚いたような顔でそれをずっと聞いていました。話終わってから、しばらく間があり、彼らの予想外のことが起きたのだと直感的にわかりました。そこで、私はふと気がつき、言ってみたのです。

上告します

その瞬間でした、裁判官、書記、弁護士がみな、銃で乱射されたように血を流し、次々に床へ倒れていきました。私は傍聴席の機動部隊を振り返りましたが、彼らは違う違うと首を振りました。数分間の乱射があったあと、静かになりました。私たちは、倒れた彼らを調べました。私は私に近寄り、触ってみました。すると、私は触れた部分から、霧か何かのように消えていきました。消える直前に、『あなたはどこへ行くのですか』と聞かれましたが、答えることはできませんでした。

しばらくすると、警備員のようなヒトたちが扉から入ってきました。彼らは銃を構えていましたが、そのとき外から爆発音が聞こえ、地面が揺れました。一度や二度ではありません。何度も爆発が起こり、彼らは街のほうへ走っていきました。

私は気づいていました。これは、第1次と第2次派遣の攻撃が時間差で現れたこと。そして、消えた私を中心に、この建物も、霧のように消え始めてることに。

私は混乱する機動部隊をうながし、梯子へ向かいました。私たちは、爆撃や銃撃で瓦礫が飛び回る広場を走り、梯子のところへたどり着きました。建物の入り口は開かれていて、建物には誰もいませんでした。私は、このあと最後に何が起こるのか知っていました。時間はありませんでした。彼らの作った、入り口の封じ込め施設を内側から全て閉鎖し、万が一、こちら側へ影響が来ないようにしました。彼らの施設が、我々を守ってくれたことは皮肉です。

閉鎖を完了し、私は梯子を降りました。そして、最後に機動部隊隊員がこちら側からフタを閉める直前、とてつもなく大きな揺れと爆音が聞こえましたが、フタを閉めた瞬間、それらは消えました。

霧のように。最初から。なにもなかったように。以上です。

第3次派遣以降、SCP-062-JP-1上部の雲が晴れ、5年以上に渡って新たなSCP-062-JPキャリアの発生が確認されていません。以上の理由から、無力化計画062-002:第3次派遣を持って、SCP-062-JPは無力化されたと判断し、当該オブジェクトをNeutralizedに再分類します。

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1人の博士が異なる世界を崩壊させた!?

T博士はかなり変わった人のようですがとても勇敢でかっこいい!

T博士の自分にしか成し得ない生きる目的を主張し、向こうの世界でもT博士が生存権を持つに相応しい存在になった。

T博士の勝訴が確定した。

これにより向こうの世界の住民が生存権を主張できなくなる。

誰も生存権を主張できない世界は崩壊してしまった。

生きる活力、目的、信念を持った人であれば打開できるSCP。

「あなたは生きている上でこれらがありますか」と問われているようなSCPですね。

著者 [ZeroWinchester] 原作記事 SCP-062-JP – SCP財団 (wikidot.com)

終わり

Pasquale CantoneによるPixabayからの画像

今回はSCP-062-JP生存権を紹介しました!

T博士によって現在は無効化されていますが電波塔の上に住んでるもう1人の自分に「生存権」を奪われてしまうのは恐ろしい。

T博士のように自分の生きる目的をしっかり持っていることが大切ですね。

原作記事が気になった方はぜひ読んでみてくださいね。

この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。

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