ネットやSNSで有名な都市伝説。愛される都市伝説の1つ「姦姦蛇螺」を紹介したいと思います。
都市伝説とは
都市伝説とは近代あるいは現代に広がったとみられる口承の一種である。
大辞林には「現代の都市で、広く交渉される、根拠が曖昧、不明な噂話」とされています。
姦姦蛇螺
姦姦蛇螺とは
2チャンネルオカルト板にて登場した都市伝説。「姦姦蛇螺」。
投稿主Aと友人B、Cが中学生の頃に体験した話である。
荒れた生活を繰り返してた3人は家族にも見放されるほどだった。
ある日Cが家族と大喧嘩した。呆れた父親は「お前に怖いものがないなら、山の立ち入り禁止の場所に行ってみろ」と言った。
3人が住む、村には近くに山があり、その山の中には昔から立ち入り禁止とされている場所があった。
2m近い高さの柵で囲まれ、大小色々な鈴がついている。
特定の日には巫女さんたちが集まり、付近一体が立入り禁止になる。
Cは家を飛び出し、面白半分でAとBも向かい、山に着いたのは夜中の1時過ぎだった。
意気揚々と山に入った3人だがすぐに異変に気づいた。
遠くから微かに聞こえてくる音。その音は3人が歩き出したら歩き出し、止まったら音も止まる。まるでこっちの様子がわかっているように。
音に付きまとわれながら進むと柵が見えてきた。
いつもなら霊など馬鹿にしている3人だがあまりの不気味さに「やばい場所にいる」と思い始めていた。
「こんなんでビビってるんじゃねぇ!」とCは怯んでいるAとBを怒鳴り、持ってきた道具で柵を破壊し始めた。柵に取り付けられた無数の鈴の音がこだましている・・・
結局持ってきた工具で柵を破壊することはできず、柵をよじ登って越えることにしたが、柵を越えると恐ろしい閉塞感、息苦しさ、不安を感じた。この時には付きまとってた音は聞こえなくなっていた。
だが、柵を越えてしまったからには進むしかなかった。
しばらく進むとそこには特定の6本の木に注連縄が張られ、その6本の木を6本の縄で括り、6角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。
そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。
3人ともやばいとは思っていたが、Cは強気な姿勢は崩さなかった。Cは縄をくぐって6角形の中に入り、箱を開けた。
箱の中には四隅にペットボトルのような形の壺?が置かれてて、その中には何か液体が入ってた。
箱の中央に、先端が赤く塗られた5センチぐらいの楊枝みたいなのが、変な形で置かれてた。
Cはその楊枝を触り、汗をかいているせいか指先にくっつき、楊枝の形が崩れてしまった。
チリンチリン!!チリリンチリン!!
突如3人が来た方とは逆方向から物凄い勢いで鈴が鳴った。
3人で顔を見合わせたが「誰だちくしょう!ふざけんな!」とCはその方向に走り出した。
AとBは急いで後を追うととCは小刻みに震えていた。
Cが照らしている懐中電灯の先を見ると、立ち並ぶ木々の中の1本、その根元あたりから女の顔がこちらを覗いていた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に3人は走り出した。柵に向かって走り、柵に飛び掛かりよじ登る。
完全にパニック状態の3人。そんな中Bがなかなか柵を登れずにいると
チリン!!チリリンチリン!!
大音量の鈴の音が山の方から鳴り響いた。
山の方から近づいてきているのか鈴の音と柵の揺れが激しくなる。
音の方を見ると柵の上に奴が張り付いていた。
顔だけかと思ったそれは、裸で上半身のみ、右腕左腕が3本ずつあった。
それらで器用に綱と有刺鉄線を掴んで「にぃ?」っと口を開けたまま、巣を渡る蜘蛛のようにこちらへ向かってきていた。
Bが柵を乗り越えて3人は必死に走った。山の入り口が見えるとそこには何人か人が集まっていた。
その後は親同士で話が進み、3人ともそれぞれ親に怒られながらその夜は帰宅した。
しかしすぐに異変が起きた。Cが家に帰ってから両手両足が痛いと叫び出し、両手両足をピンと伸ばした状態で倒れ、のたうち回ってるらしい。
AとBは連絡を受け、Cの家に行きCに呼びかけたが、痛い痛い言うばかりで話ができなかった。
なぜ同じ行動をしていたのにCだけなのか。そこで2人は気づいた。Cだけは箱の中の楊枝を動かしていることを。
翌々日、AとB、Cのお母さんであの化け物を管理しているという家に向かった。
着いた先には巫女の葵さんとその伯父さんがいた。そこで「姦姦蛇螺」という存在を初めて聞かされた。
昔々、人を食らう大蛇に悩まされていたある村の村人達は、神の子として様々な力を代々受け継いでいたある巫女の家に退治を依頼した。
依頼を受けたその家は、特に力の強かった一人の巫女を大蛇討伐に向かわせる。
村人達が陰から見守る中、巫女は大蛇を退治すべく懸命に立ち向かった。
しかし、わずかな隙をつかれ、大蛇に下半身を食われてしまった。
それでも巫女は村人達を守ろうと様々な術を使い、必死で立ち向かった。
ところが、下半身を失っては勝ち目がないと決め込んだ村人達はあろう事か、巫女を生け贄にする代わりに村の安全を保障してほしいと大蛇に持ちかけた。
強い力を持つ巫女を疎ましく思っていた大蛇はそれを承諾、食べやすいようにと村人達に腕を切り落とさせ、達磨状態の巫女を食らった。そうして、村人達は一時の平穏を得た。
異変はすぐに起きた。大蛇がある日から姿を見せなくなり、襲うものがいなくなったはずの村で次々と人が死んでいった。村の中で、山の中で、森の中で。
死んだ者達はみな、右腕・左腕のどちらかが無くなっていた。
18人が死亡。生き残ったのは4人だった・・・
Cが動かした楊枝は巫女を表しており、それにより大蛇に食われた巫女が現れたという。
葵「巫女の怨念を浴びてしまう行動は2つ。やってはならないのは巫女を表す形を崩すこと。
見てはならないのがその形が表す巫女の姿。」
伯父「下半身も見たんだろう?それならCは助からない」
だがここでAとBに疑問が浮かんだ。
3人が見た化け物には下半身などなく、上半身のみで腕が6本だったことを。
その事を伝えると伯父さんはCの母親に顔を向け、ニコッと笑った
伯父「お母さん、なんとかなるかもしれん」
葵「巫女本人である事には変わりありません。ですが、姦姦蛇螺ではないのです。あなた方の命を奪う意志がなかったのでしょうね。姦姦蛇螺ではなく、巫女として現われた。その夜の事は、彼女にとってはお遊戯だったのでしょう」
伯父「姦姦蛇螺が出てきてないなら、今あの子を襲ってるのは葵が言うようにお遊び程度のもんだろうな。わしらに任せてもらえれば、長期間にはなるが何とかしてやれるだろう」
そして、AとBは葵さんにお祓いをしてもらってから帰った。
その後
Cに関しては家の決まりでAもBもそれ以降会っていない。だがすっかり更生して今はちゃんとどこかで生活しているらしい。
AとBもすぐに落ち着いて、自然と馬鹿なことをしなくなっていった。
他にわかったこととしては姦姦蛇螺は、危険だと重々認識されていながらある種の神に似た存在にされてる。大蛇が山だか森だかの神だったらしい。それで年に一回、神楽を舞ったり祝詞を奏上したりするそうだ。
また、3人が森に入ってから音が聞こえてたのは、姦姦蛇螺は柵の中で放し飼いみたいになってるかららしい。でも六角形と箱のあれが封印みたいになってるらしく、棒の形や六角形を崩したりしなければ姿を見せる事はほとんどないそうだ。
供養場所は何らかの法則によって、山や森の中の限定された一部分が指定されるらしく、入念に細かい数字まで出して範囲を決めるらしい。
1年近く経ってから柵の撤去が始まったため、今も別の場所で供養されているのだろう。
余談
姿形はギリシャ神話の上半身は女性、下半身は蛇の姿の怪物、「ラミア」と似ているところはありますが、特に関連性はなさそう。
日本版ラミアと言ってもよさそうだけど。
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宮澤伊織さんの『裏世界ピクニック』(月刊少年ガンガン)11•12話に登場。月見隆士さんの「テラーナイト」(小学館)では可愛らしい「姦姦蛇螺」が登場します!ebookjapanで読むことができます!
また、夕闇の季節氏が製作したフリーゲーム怪異症候群3の第3章で「姦姦蛇螺」は登場します。ホラーアドベンチャーゲームで怪異が蔓延る街を探索できます!
まとめ
日本のホラーを体現したかのような都市伝説「姦姦蛇螺」。彼女の恨みは未来永劫晴れることないのだろうか・・・
とにかく曰く付きの場所には近寄らないことですね。特に立ち入り禁止にされている箇所は何らかの意味があって立ち入り禁止になっているので近寄っても痛い目を見るのは自分だけかも・・・?
「姦姦蛇螺」は山の一部に封印されているため関連作品は少なめかも・・・?自由な場所に出現させることができないからかな?
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