不思議で怖くておもしろい!!そんなSCPを紹介したいと思います!!
今回は化けて出てくる!?幽霊のようなSCP【春は汽車にのせて】を紹介しようと思います!
SCPとは
SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。
SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。
・Safe(セーフ)
注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!
・Euclid(ユークリッド)
よくわからないことが多くて危険だよ!
・Keter(ケテル)
収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!
主にこの3種類に分類されてます。
SCP-1398-JP 春は汽車に乗せて
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-1398-JPの出現が確認された場合、2名以下の監視員を出動させ、移動を監視してください。SCP-1398-JPが市街地、あるいは居住区に接近した場合監視員を増員し、一時的な消失を発生させてください。
SCP-1398-JPの目撃者に関しては、記録媒体を没収したうえでAクラス記憶処理を行うか、カバーストーリーを頒布してください。SCP-1398-JP、ならびにSCP-1398-JP-1への攻撃は禁止されます。
説明:SCP-1398-JPはテンダー式蒸気機関車である国鉄D50形蒸気機関車です。車両番号はD50 398であり、実際には製造されていません。SCP-1398-JPはクラスⅠ霊的実体と推測されています。
SCP-1398-JPは主に日本国内において、3月下旬から5月上旬にかけて出現と消失を繰り返します。消失条件は不明ですが、複数の人物による目視が消滅理由になる事が確認されています。SCP-1398-JPの行動を停止させる試みはその透過性から失敗していますが、乗車、降車を行うことは可能です。
移動速度は約0.7~0.8km/hで、通常走行が不可能な地形を走行することも可能です。出現場所は一定しませんが、主に山間部や森林地帯、あるいは深夜の市街地において発生すること、また上述の消失条件から何らかの意図をもって目撃されることを避ける傾向にあると推測されています。
めちゃめちゃ遅くない?人が歩くスピードより遅いじゃん。
多くの人に見られたら消失するし汽車なのにどんな地形も走行できるのはできるのは実体があるのか無いのかわからないね・・・
SCP-1398-JPの移動経路は2010年以前に気象庁が発表していたさくらの開花予想の等期日線図と大まかに一致します。このことから、SCP-1398-JPはソメイヨシノの開花に合わせ、大まかな行動経路を定めていると推測されます。
つまりこれは桜前線と同じ動きをしているってこと!?
春を告げる汽車だね!!
SCP-1398-JP自体は停車を行いませんが、乗りこむことは可能です。SCP-1398-JP内部には複数の乗客が確認されますが、後述のSCP-1398-JP-1を除き、反応を返すことはありません。
SCP-1398-JP-1はクラスⅢ霊的実体と推測される高齢女性です。主に和装を纏っており、財団の接触に対しても攻撃を行わない限り友好的に接しますが会話は成立しないことがほとんどです。
SCP-1398-JP-1に対し攻撃を行った対象は瞬時に消失します。SCP-1398-JP-1は19??年にSCP-1398-JPが発見されて以降、老化の兆候を見せています。SCP-1398-JP-1をSCP-1398-JPから降車させる試みは現段階ですべて失敗に終わっています。
この人は幽霊なのか?でも歳取っているのか、幽霊が歳取ると思えないし…
事案記録1398-JP-A 20??/??/??:19??/??/??、SCP-1398-JPにDクラス職員を乗り込ませ、最終消失段階まで乗車状態におく実験が行われました。この段階ではSCP-1398-JP-1は40代程度の外見であることに注意してください。
05/??を迎えた時点でSCP-1398-JP-1は乗車するDクラス職員に困惑する様子を見せ、降車を勧めました。Dクラス職員がそれを拒否した際、SCP-1398-JP-1はさらに困惑を深めましたがそれ以上の反応を見せず、約3時間後、Dクラス職員と共にSCP-1398-JPは消失しました。
以下は消失に至るまでの映像記録です。
イベント映像記録1398-JP-01 – 日付 19??/05/??
00:00:00: SCP-1398-JPの車窓から見える景色が徐々に変化していく。同時にSCP-1398-JP-1の姿が消失
00:03:01: 車窓からの景色がソメイヨシノの並木へ完全に変化する。同時に無線等の信号が停止
00:04:23: Dクラス職員が困惑するように桜を見つめ独白を始める。以下記録参照。またこれに前後して桜の花弁が車内へ侵入し始め、乗客の消失が発生する
00:04:58: Dクラス職員の独白が終了する。同時に大量の花弁が画面に映りこむ。Dクラス職員が消失する。車窓外のソメイヨシノの数が徐々に減少していることが確認される
00:05:30: 車窓外のソメイヨシノが一本になる。SCP-1398-JP-1の姿が一瞬映りこみ映像が停止する
以下は消失直前のDクラスが残した音声を解析した結果です。
音声記録1398-JP-01 – 日付 19??/05/??
先生、どうも終着が近づいている。この姐さんがそう言うんだ、周りの風景もそうなんだろう。ああ、花が咲いてるよ、満開の桜だ。桜のあちこちに姐さんがいる。寂しそうにしてる。桜だよ、恐ろしいな、美しいってのはこういうことなのかな、先生。桜だよ、満開の桜だ、どこまでも、どこまでも続いていくよ。
先生、なんかおそろしいよ、桜だ。なあ、これは全部あの姐さんなんだよ。姐さんはさ、春なんだ、春は汽車に乗ってさ、ずっと、ずっと、進んでいくんだよ。いや、そうか、ああ、そうだよ。綺麗なんだ、とても、とても、とても、綺麗だ。さようなら
姐さんはソメイヨシノそのもの、いや春そのものなんだね。
日本に春を届けるために毎年出現してくれるんだ。
Dクラスが所持していた機器はその後、全国各地のソメイヨシノの根元付近で分散されて発見されました。また、翌年再出現したSCP-1398-JP内の乗客に消失したDクラス職員と同様の容貌を持つ乗客が確認されました。
これを受けて調査したところ、SCP-1398-JP内の乗客のうち約?%の身元が判明しました。判明した人物は現在時点で死亡、あるいは行方不明者として扱われており、共通点は3月下旬から5月上旬にかけて行方不明、あるいは死亡している事を除き不明です。
ソメイヨシノの養分になったのかな?本人も嫌がってる感じではないけど乗客はみんな自らの意思でソメイヨシノの一部になったのかな…
補遺:乗客のうち、行方不明であるとされていた??氏の骨組織が一部、東京都豊島区のソメイヨシノの根元から発見されました。
他の部分も同様にソメイヨシノの付近に埋没していると推測されますが、調査の必要性は低いと判断され、追跡調査は行われていません。
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春を運ぶ汽車!?日本の桜を運ぶSCP!!
桜の樹の下には屍体がある。なぜって桜の花があんなにも綺麗に咲くなんて信じられないことじゃないか
これは明治時代の小説家・梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』の考え方で現代でもこの小説に影響を与えている。『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』など
桜の木の下には死体が埋まっていて、死体から血を吸うことで桜の花はピンク色になるのではないか
美しいものにはその対極となる醜悪なものが存在するのではないかという思想によって生まれた噂話。
このSCPでも列車に乗った人々は桜の美しさのために桜の樹の養分となったのだろう。
そしてSCP-1398-JP-1である女性はソメイヨシノ本人ではないだろうか?彼女が日本全国にあるソメイヨシノの大元、彼女が日本を横断すれば桜は咲いていく。
なぜならソメイヨシノはほぼ全てクローンだから。
今日本全国にあるソメイヨシノの99%は彼女ということになります。
そしてソメイヨシノにも寿命があります。諸説あり、60年で寿命を迎えるとも100年生きても大丈夫とも言われますがどちらにせよクローンなので他の桜に比べたら寿命は短いです。
ちょうど人の寿命と同じぐらいかもしれませんね。
SCP-1398-JP-1はもう高齢な女性になってますがあと何年いてくれるのだろうか…
彼女がいなくなってしまったら日本のソメイヨシノはどうなってしまうのだろうか…
著者【kyougoku08】 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-1398-jp
終わり
今回は霊的存在である幽霊型SCP【春は汽車にのせて】を紹介しました!!
日本で毎年美しい桜を見ることができるのはこのSCPのおかげかもしれませんね。
第二次世界大戦後に全国で大量に植えられたソメイヨシノは今ではかなり高齢になっている。
もしかしたらソメイヨシノは現在危機に瀕しているのかもしれない。
ソメイヨシノは自力で繁殖することはできないため、我々人類がソメイヨシノを世代交代させて守っていかなくてはいけないのでしょう。
姐さんもう少し日本の桜を、春を守ってください。
原作記事が気になった方はぜひ読んでみてください!!
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
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