ネットやSNSで有名な都市伝説。愛される都市伝説の1つ「赤い紙、青い紙」を紹介したいと思います。
都市伝説とは
都市伝説とは近代あるいは現代に広がったとみられる口承の一種である。
大辞林には「現代の都市で、広く交渉される、根拠が曖昧、不明な噂話」とされています。
赤い紙、青い紙
赤い紙、青い紙
夕方の学校で、少年がトイレで用を済ませ、拭こうとすると紙が無かった。するとどこからともなくこんな声が聞こえてきた。
「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」と聞こえてくる。
AとBは同じクラブ活動をしていることもあっていつも一緒にいる男子中学生。
Bはお調子者のくせして寂しがり屋。
Aは世話がやけると思ってた。でも、一緒にいて楽しい。
ある日2人は一緒にトイレに入った。
隣のトイレの中からBは調子のいい軽口を言っている・・・
A「いいから、早く戻らないと休憩時間が終わるだろ。さっさと拭いて出よう」
B「そうだな。先生も怒ると怖いし・・・ん?紙がない・・・」
A「ばか。ちゃんと確認して入らないからそうなるんだよ。ほんとばかだな・・・あ・・・」
B「なんだよ。お前もかよwちゃんと確認しないからそうなるんだよw」
A「うるさいな。替えの紙は確か棚の上に・・・」
B「おい・・・お!!」
Bは柄にもなく焦った様子で声をかけてきた。
A「なんだよ、急に。びっくりするだろ。」
B「何か聞こえないか?」
A「ん?聞こえるって・・・?」
その時、微かに声が聞こえてきた。
「赤・・・紙・・・・・・いか・・・青・・・・・・ほ・・・か」
途切れ途切れであるが、確かに言葉のようなものが・・・
B「ん?赤?青?なんて?」
すると、さっきは事切れるように薄ら聞こえていたものが明確に聞こえてきた。
「赤い紙欲しいか?青い紙欲しいか?」
それは言葉だったが、本当に言葉なのだろうか・・・だって・・・こんなに掠れた低い声を人間が出せるの…?
俺は身体の底から身震いするのを感じた。怖い。なんだか知らないけど、怖い。
だが、Bは意に介さない様子で問いかけに返答してしまう。
B「赤と青?白はないの?普通のやつ。お尻赤くなったらどうすんのw」
相変わらず、どんな状況でもお調子者には変わらない。
B「わかったよ。じゃ赤いの頂戴。早く戻りたいし。お尻も乾燥しちゃうと大変」
B「この際お尻が赤くなるのはしょうがないよな。拭かないよりいいだろ。なりきるよ猿に」
B「そして猿山の対象にな!!そう、俺は猿王にな・・・あ」
Bは調子に乗って一人語りを始めていたが、それが突然止まった。そして、雄弁な語り口調が絶叫へと変わる。
B「あ・・・え?っい、、、いやっ・・・待って、何これ・・・」
ぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼと
Bの絶叫と共に何かが落ちる音が聞こえる。
何か、と言っても物音から判断ができるくらわかりやすい音だった。
水だ。水が高いところから落ちる音に近い。
A「どうした!?B!!何があっ!?」
問いかけるが、Bの耳には入っていない。
B「うわぁぁ!?助けて・・・ち、ちが・・・血がぁぁあ」
A「ち!?血か!?血がどうした!?」
咄嗟のことで判断ができなかったが、トイレの個室から出てBを助けようと思った。
ガチャッ・・・ガチャッ・・・
開かない。 A「くそ…なんで…」
ヌチャッ・・・ヌチャッ・・・
A「!?」
水溜りを踏んだような音と感触が足元から伝わってくる・・・いや、水溜りというより・・・泥水?
足元が真っ赤に染まっていた。
A「ひ・・・っ・・・」
人間ってこんなに血を流して大丈夫だっけ・・・?
俺はBに話しかける。
A「おい!?大丈夫か!?」
・・・
返事がない。
あのお調子者のBが・・・一日中話しているようなA男が・・・返事をしない・・・
Aは震えが止まらなかった。
額から背中から、全身から嫌な汗が噴き出てくる。
A「なん・・・で・・・」
その時
「赤い紙欲しいか?青い紙欲しいか?」
人間のものとは到底思えないほど恐怖を内蔵した言葉が俺に突き刺さる。
俺は一瞬固まったが、冷静に対応しようと考える。
Bは確か赤い紙を選んで・・・赤・・・だったよな?大丈夫だよな?
A「あ・・・青い・・・紙・・・」
頭の中とは裏腹に、身体や口は思う通りに動かず、言葉を絞り出すのがやっとだった。
恐怖からその場に立ち尽くすばかりで、Bの流した血を眺めていることしかできなかった。
Aは「どうなるんだろう」「Bみたいに血が出て死ぬのかな」と思っていた。
ぎゅっと目を瞑り、拳を握りしめ覚悟を決めようと頑張るが、杞憂だったのか。
何も起こらない。
A「あれ・・・!?た、助かった・・・!?」
辺りを見渡すが、特に変化はない。
ふと我に帰る。
A「そうだ・・・Bを助けなきゃ」
そう思い扉に手をかける。
A「あれ・・・?」
視界がやけにぼやける。
急に視力が悪くなったのかと間違うほどに景色は滲んで見え、徐々に視界は狭まってくる。
A「どうなっ・・・てっ」ふらついた。
勢いのままトイレの壁に肩をぶつけ座り込んでしまう。
何が何だかわからない。
咄嗟に地面に突いた手に視線が行く。
A「・・・俺の手・・・こんな色してたっけ?」
よく見ると、手だけでなく、足も普段とは違う様相をしている。
こんなに白い人は見たことがない。
そしてどんどん色が抜けてきて、白を通り越して青く見えてきた。
A「なんで・・・こんな・・・色に・・・」
意識が遠のく。
A「ああ・・・そう・・・か」
A「青っ・・・て・・・そう・・・いう・・・」
余談
ちなみに赤い紙、青い紙以外の色を答えると助かるという話もありますが、逆に冥界にひきづり込まれるという話もあります。
でも他に助かる方法がないので違う色を答えるしかないのかも・・・?
関連作品
アニメ「学校の怪談」第2話で「赤い紙、青い紙」は出現します。
また、1996年 平山秀幸さんの映画「学校の怪談2」で「赤い紙、青い紙」が出現します。この作品は4月4日の4時44分に小学校で肝試しをしていると怪異に襲われるという話。
懐かしの漫画「怪談レストラン」(童心社)や真倉翔さんの「地獄先生ぬ〜べ〜」でも登場しています。「地獄先生ぬ〜べ〜」では「赤い紙」ではなく「赤いちゃんちゃんこ」ですが。
まとめ
水場は霊が溜まりやすいと言われてるので学校のトイレには恐ろしい噂がありがちです。
特に夕方や夜には不可解な現象が起きると思われます。
「赤い紙、青い紙」はもしかしたら助ける方法がない理不尽な都市伝説です。
遭遇してしまったら助かることを祈って違う色の紙を言うしかありません。あの世に連れて行かれるかもしれませんが・・・
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