最強最悪!?強すぎるがゆえ人間に太刀打ちできない無敵のSCP3選!!

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不思議で怖くて、面白い!!そんなSCPを紹介したいと思います!!

今回は事実上最強!どう足掻いても人類には勝ち目のないSCPを3体紹介しようと思います!!

Nicolas JægergaardによるPixabayからの画像

SCPとは

SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。

SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。

Safe(セーフ)
 注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!

Euclid(ユークリッド)
 よくわからないことが多くて危険だよ!収容が難しいかも・・・?

Keter(ケテル)
 収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!

主にこの3種類に分類されてます。

SCP-6096 御客様

オブジェクトクラス:Keter

Pete LinforthによるPixabayからの画像

特別収容プロトコル:SCP-6096の収容は機動部隊ゼータ-29 (“血盟の友”) が直接担当します。SCP-6096はサイト-19にある標準ヒト型生物収容室に拘留されます。

現地の職員は映像及び音声記録装置を介して定常的にSCP-6096の収容室を監視します。如何なる挙動の変化も速やかに記録されます。

SCP-6096はいつでもSCP-6096自身の望みに応じて収容室から解放されます。

サイト外への遠征中、SCP-6096は機動部隊ゼータ-29によって、最も都合のいい任意の交通手段で目的地まで直接護送されます。

この護送班に先行する第2班は、前以て標的に上級鎮静剤を投与し、確実に意識を喪失させます。SCP-6096が問題の民間人の終了に成功した後、再び収容下へと招き入れます。

説明:SCP-6096はヒト型の形状と推定される実体であり、その身体は常に大きな綿シーツの下に隠れています。

このシーツが存在するために、SCP-6096の体格は完全には説明できません。しかしながら、表面的な分析の結果は、SCP-6096が身長1.55m、体重約48kgであることを示します。

子供がマントの中に隠れてるみたいな感じだね!

SCP-6096を覆うシーツは本体よりも大きく、通常は移動に際して少なくとも1m後ろに引きずられています。財団職員がより正確な情報を得るためにシーツの除去を試みることは不可能です。

SCP-6096に危害を及ぼし得る行動を意識的に取ることが可能な生物は存在しません。

“SCP-6096に危害を及ぼし得る行動”は広義のカテゴリーであり、以下のような行為が含まれます。

  • SCP-6096を攻撃しようとする。
  • 他者にSCP-6096への攻撃を命じようとする。
  • 他者を欺き、それと知らずにSCP-6096を攻撃させようとする。
  • SCP-6096に対する罠を仕掛けようとする。
  • 他者にSCP-6096に対する罠の配備を命じようとする。
  • 他者を欺き、それと知らずにSCP-6096に対する罠を仕掛けさせようとする。
  • 独立して自動でSCP-6096に危害を及ぼす装置を作成しようとする。
  • SCP-6096の傍を離れるとSCP-6096が危害に晒されるような状況下で、離れようとする。
  • SCP-6096に悪影響を及ぼすような自己終了を試みる。
  • SCP-6096のシーツを除去しようとする。

え?どんな方法を使っても攻撃になることはできないの?

絶対倒せないじゃん!

SCP-6096は普段は従順であり、結果的に危害を及ぼし得る移送が行われない限りは、収容下への誘導を許容します。

しかしながら、SCP-6096は周期的な間隔をおいて活発になり、独立して運動し始め、標的に向かって歩行で移動し続けます。

確認された全ての事例で、この標的は地球人口から無作為に選択された 1 名の人間です。

活動期間中のSCP-6096を観察した全ての人物は、その現在の標的の身元と所在地を瞬時に認識します。

更に、それらの人物はSCP-6096が標的へ到達し、確保するまでの支援を自らが強制させられていることに気付きます。

証拠が示す限り、SCP-6096の標的だけは主要な異常性の影響を免れています — 標的はSCP-6096に危害を及ぼし得る行動を取ることが可能です。

しかしながら、今日までそれに成功した人物はいません。これは通常、SCP-6096が標的まで向かう道のりで必然的に集合する側近者たちの不本意な支援が原因です。

標的まで物理的に到達したSCP-6096は、シーツの下に標的を引き込みます。被害者に意識がある場合、シーツの下でSCP-6096と格闘する動きや声を20~40分ほど確認できますが、その後は完全に消滅します。

これらの被害者が発する叫びから非常に苦痛であることを示唆します。

被害者を鎮圧した後、SCP-6096は従順な状態に戻ります。

食べてるのかな・・・しかも全人類が敵に回るとか勝てる訳ないじゃん・・・

補遺 6096-1 (初期収容)

SCP-6096は2018/12/09、ニューメキシコ州ダーナムの警察が、地元町民であるマリオン家の住宅に呼び出された際に、初めて財団の注意を引きました。

サミュエル及びアマンダ・マリオン夫妻は、SCP-6096が家に侵入し、16歳の息子 デズモンド・マリオンを消失させたと主張しました。

警察が到着した際、SCP-6096はまだ住宅内に存在していました — やがてSCP-6096を覆うシーツを取り除くのが物理的に不可能だと判明した時点で、地方自治体に潜入していたエージェントが財団に警告し、SCP-6096を初期収容下へ連行しました。

マリオン家の住宅には防犯用の監視カメラが複数台設置されていたため、SCP-6096の到着が映像記録に残されていました。以下はその映像の該当部分を書き起こしたものです。

<記録開始>

(マリオン家の人々が居間でカウチに座り、テレビに向き合っている。サミュエルとアマンダ・マリオンは熱心にテレビを見ているが、デズモンド・マリオンは携帯電話を操作している。車が止まる音が聞こえる — これは地元のタクシー運転手、ドレイク・エレンがSCP-6096を家の前で降ろした際の音だと思われる。数秒後、サミュエル・マリオンは妻を肘でつつき、監視カメラに映っていない窓を指差す。)

アマンダ: 何よ?

サミュエル: あれを見たか?

アマンダ: あれって? 何も… あら! (笑う)

サミュエル: (笑う) 分かっただろ?

アマンダ: ハロウィンのつもりかしらね? もうクリスマス間際だっていうのに?

(沈黙。)

アマンダ: 近付いて来るわ。あの… あ、あいつ… あいつは… ああ… ああ…

(アマンダは手を伸ばし、デズモンドの腕をきつく掴む。彼は携帯電話から顔を上げる。)

デズモンド: ん? どうしたの? 俺忙しいんだけど。

アマンダ: 何でもないの、ハニー、ただ — ああ — ここに居てちょうだい、いい? ただ私と一緒に居て。ああ、まさかそんな…

(SCP-6096が玄関ドアを静かにノックする音がかすかに聞こえる。)

サミュエル: (取り乱した声で) 俺が出る。

(サミュエルは震えながらカウチから立ち上がり、玄関ドアへ移動する。彼はドアを開け、SCP-6096が入って来る。)

デズモンド: (笑う) はぁ? もしかしてキミ1人か? なんでそんなカッコしてんの? (腕を引こうとする) ねぇ、離してくんない? ちょ — ちょっと痛いよ。

(アマンダが囁く。)

アマンダ: 大丈夫よ、ハニー、ごめんなさい、ハニー ただ、う 動かないでいれば大丈夫。腕を引こうとしなければ痛くしないわ、ただの —

(SCP-6096が接近すると、サミュエルが前に出てデズモンドの反対側の腕を掴み、彼をカウチに抑えつける。)

アマンダ: — 大丈夫だから、じっとしていて、ハニー、目を閉じればいいの、目を閉じれば痛くないんだから。愛してる、あなたを愛してるわ、分かった? ハニー?! 分かった?!

(デズモンドは自由になろうと試みるが、不可能である。彼は両足を激しく宙に蹴り上げる。携帯電話がカウチの肘掛けから滑り落ち、カーペットの上に落ちる。)

デズモンド: 何言ってんだ — 俺はマジだぞ、離せよ!

サミュエル: (泣きながら) 動くな、息子よ、動くんじゃない。きっと — きっとそう長く苦しまなくて済む。頑張ってくれ。俺のために頑張ってくれ。

デズモンド: 腕が折れちまうよ!

(SCP-6096がデズモンドに到達し、足から順に、彼を綿シーツで包み始める。アマンダとサミュエルが口を開けたままそれを見つめている間に、デズモンドは完全にシーツの下に引きずり込まれ、目に見えてもがいている。マリオン夫妻は悲鳴を上げようと試みているようだが、不可能である。)

(デズモンドが大声で叫び始め、荒々しく殴打するような動きがシーツの下に見える。)

(36分間これが続く。)

(デズモンドが完全に消失すると、SCP-6096は従順な状態に戻る。SCP-6096は綿シーツで自らの身体をくるみ、カーペットの上に座り込んでテレビに向き合う。)

(サミュエルは見たところショック状態で床に崩れ落ち、胎児のような姿勢で体を丸める。アマンダはSCP-6096を見つめたまま、後ろによろめいて奥の壁に寄りかかり、携帯電話で救急隊に通報する。)

(警察が到着するまで、サミュエルが時折身体を揺するのを除けば、誰もその場を動かない。)

<記録終了>

全ての直接目撃者にはクラスA記憶処理薬が投与され、デズモンド・マリオンの失踪に関するカバーストーリーが作成されました。

愛する子供を見殺しにするどころかSCP-6096に協力しなきゃなんてひどい・・・

現在、この事件以前にSCP-6096がどれほど長く活動していたか、或いはそもそも存在していたかは不明です。

補遺 6096-2 (歓迎通告)

さて、事情は呑み込めたな。機動部隊ゼータ-29にようこそ — 酒は流し台の下にある。

ここではプロ意識なんて気にしなくていい。上層部は例えそう望んだって俺を降格できないんだ。どうやら、SCP-6096の収容主任としての俺は、再配属が奴に対する危害と解釈されるぐらい都合の良い存在らしい。俺はツイてる。

財団がこの化け物を収容できているなんて、どの面下げて言えるのかと不思議に思っているだろうな。奴は好きに出入りできるし、仮にもう収容室に帰りたくないと決心したなら、無理やり連れ戻す手段は文字通り全く無い。そして、そうとも、あの部屋をホテルの客室じゃなくて収容室と呼んでるのも同じくらい恥ずべき事だと思ってるはずだ。

言わせてもらおう。お前は何もかも正しい。俺たちがSCP-6096に対してできる事は一切無い。それを受け入れられるまで遠慮なく飲んでくれ。我慢するな — どうせこの先、その酒瓶にすっかり馴染むことになる。俺もそうしたよ、初めてあの化け物のために産科病棟のドアを開け放してやった時にな。

SCP-6096を収容するなんてのは悪い冗談だ。俺たちはもうとっくに、この悪夢から逃れる手段は粛清、解体処分、無力化、その他どう呼ぼうと勝手だが、それしかないと決断した。だがそれも簡単な仕事じゃない。俺はあの部屋に何時間も立ち尽くし、6096の頭に銃を突き付けて、少しでも力を込めやがれと自分の指に向かって叫んだ。無駄だったよ。どれだけSCP-6096を傷めつけたくても、実行できやしない。SCP-6096に最終的に危害を加える回りくどい機械仕掛けを作り始めることさえできない。それが世界の真実だ — 記号災害とか何とか呼ばれているアレだろう。

俺が思うに、この悪夢から目を覚ます手段は大きく分けて3つある。

別な組織、多分GOCあたりが、正体を理解しないままに奴を仕留める。多分俺たちが遥かに危険なものを輸送していると思い込んで — さもなければ俺たちの手には負えない奴だと思って — 輸送中にドローンか何かで爆撃し、奴を地獄まで吹っ飛ばす。爆弾 1 個で簡単に殺せると思う — 奴はひ弱そうな感じだ。この手が通用するのは、全く違う何かを爆撃しているとGOCが思い込んでいる間だけだ。もしSCP-6096だと知ったら、あいつらも丸め込まれてしまう。
.aicが対処する。人工知能がSCP-6096の影響を受けないかは分からないが、奴はその中の 1 台と俺を会話させようとしないから、希望はある。多分ある日、コンピュータの 1 台が任務を受け、多分その任務は — 全くの偶然から — このファイルに.aicを導くかもしれない。そして.aicは優れた知性を駆使し、6096が思いがけない“事故”に巻き込まれるようにお膳立てを整えてくれる。
標的が幸運に恵まれる。多分6096は何処ぞのガンマニアを追いかけ、その気の毒な奴は俺たちから組み伏せられる前にまぐれ当たりで奴を仕留める。前に一度起こりかけたんだ — だがロペスが6096を庇って撃たれた。あいつは俺たちが6096のために標的を押さえ付けている間に失血死した。多分また同じ事があって、上手く行くかもしれない。
多分、多分、多分。

正直に言おう — 今挙げたシナリオは、シナリオなんかじゃない、ファンタジーだ。あの中のどれかが自然に起きる見込みはごく小さい。微々たるものだ。本当に6096を始末できるのは、俺が見る限りじゃ、全くの偶然しかない。とどのつまり、俺たちは希望を抱いて待つしかないのさ — いつか俺たちの誰かが正真正銘の間違いを犯し、それが正しいドミノ倒しに繋がるという希望を。だが、期待しない方が良い。

結局のところ、俺たちはうんざりするほど仕事上手だからな。

強制支配!?人類を思いのままに操るSCP!対抗できるのは標的となった者のみ… 偶然倒すことができるのを祈るしかないのか…

著者 [Tonhony] 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-6096

SCP-2973-JP 史上最強の能力を持つもの

オブジェクトクラス:Keter

Stefan KellerによるPixabayからの画像

特別収容プロトコル:SCP-2973-JPはサイト-93の専用人型収容セル-13に収容します。セルには各種計測機器が導入されており、SCP-2973-JPのモニタリングを行います。

SCP-2973-JPによる予期せぬ能力行使を感知した場合は直ちにサイト管理者へ通達され、SCP-2973-JPの収容に関する緊急協議を行います。

異常性の発現を未然に防ぐため、サイト管理者によるサイト運営は規定2973-JPを遵守して行われます。

規定2973-JPには、SCP-2973-JPに自身の特異性を認識させないための偽装工作も含まれています。

説明:SCP-2973-JPは日本人男性である平山昇です。SCP-2973-JPは以下の異常能力群を有しており、いずれも財団が観測した範囲内において非常に強力もしくは精密である部類に含まれます。

  • クラスⅧ現実改変能力
  • 第I確度の時間遡行能力
  • 特A級確率改変能力
  • 異常力学的能力(レベルⅥ相当)
  • P指標0.005の物質操作能力

かなりヤバそうな能力を複数持っているの!?

SCP-2973-JPは上記の能力を無自覚に使用し、複合的な一連の異常プロセスを発生させます。

このプロセスの妨害は、上記の能力による直接的な阻止や時間遡行による失敗事例の無効化などにより一度も達成していません。プロセスの一般的な手順を以下に示します。

  1. SCP-2973-JPの内部ヒューム値が約110まで上昇する。また、平均1.00HmのヒュームフィールドがSCP-2973-JPの周囲に発生する。これにより、外部からの妨害に対する高い耐性をSCP-2973-JPが獲得する。
  2. 物質操作能力により、SCP-2973-JPが手で保持した対象の分子配列が部分的に平面上に整列される。
  3. 確率改変能力により対象の電子配置が操作され、分子間の結合力が著しく低下する。
  4. 異常力学的能力により、対象に極めて均一で双方向な応力が発生する。前述の分子整列と合わせて、対象は理想的な平面に近似できる粗さの断面を生じながら脆性破断する。
  5. 結果として、SCP-2973-JPは非常に綺麗に割り箸を割ることができる。

現時点において、SCP-2973-JPが割り箸を割る際以外に能力を行使した例は確認されていません。

わ、割り箸!?割り箸割るためだけに能力発動するの!?

そのため、SCP-2973-JPが割り箸に接触する機会を発生させないように、収容サイトの環境は2012年度第5回サイト-93衛生委員会会議で制定された規定2973-JPに従って整理されています。

これにより収容から現在まで、SCP-2973-JPによる能力の使用は発生していません。しかし、SCP-2973-JPが有する能力は限定的な用途でしか使用されていないものの非常に強力であり、その行使は無自覚で行われることから、オブジェクトクラスはKeterに分類されています。

現実を変えてでも箸を綺麗に割るSCP!!箸を割るためなら隕石の衝突させ回避できる!?SCP-2973-JPによって世界が22回救われるtaleもあります!ぜひ読んでみてください!

著者 [Okaka_Onigiri] 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-2973-jp

SCP-065 人でなし、木偶人形

オブジェクトクラス:Euclied

StockSnapによるPixabayからの画像

特別収容プロトコル:SCP-650-JPは標準的人型収容室に加えて対現実改変設備を備えた専用収容室に収容されます。

現在、SCP-650-JPは自己的に収容されている状態であり、財団の研究に対して従順ですが、その潜在的危険性が極めて高いことに留意し、収容を継続してください。

SCP-650-JP自体に近づく場合、現実改変性およびヒューム値の変動に対する耐性テストを行い、その耐性がC度以上でない職員は「現実酔い」の症状が出る可能性があります。対現実装備を装着することが推奨されています。

説明:SCP-650-JPは、観測される上では通常の人間と同様に会話・動作・意思疎通が可能な、身長176cm、体重69kgの成人男性の姿をした一体の肉体です。

SCP-650-JPの協力下における身体検査では、SCP-650-JPからは生命反応は検出されず、一般的な死体と同様の反応を示しました。

し、死体!?動けるの!?ゾンビってこと・・・?

SCP-650-JPの証言を基に、この現象を可能にしている理由について、SCP-650-JPに対して複数の実験が行われました。

アドロータリーフィルムハイスピードカメラを用いた撮影では、SCP-650-JPが1単位秒あたり寸分の狂いなく286コマ内のみにて移動を行っていることが撮影されました。

SCP-650-JPが何らかの実体を投擲した場合であっても、投擲物は1単位秒あたりに撮影されたコマのうち、286枚のコマにのみ移動が撮影され、それ以外のコマでは連続した移動は撮影されず、その場にとどまり続けていました。

SCP-650-JPの証言する内容の信憑性の調査として、さらにカント計数機を用いた実験が行われました。

カント計数機は、SCP-650-JPの内外の現実性を示すヒューム値が内部ヒューム0.4/1.6Hm、外部ヒューム0.3/1.5Hmの間で秒間286往復に変動することを示しました。

カント計数機は過度な動作によって6分後に故障し、高速のヒューム値の変動により、実験中に複数名の研究員とDクラス職員が軽いめまいや吐き気、微熱、立ちくらみなどの乗り物酔いに類似した症状を覚え、収容プロトコルが書き換えられました。

この実験により、SCP-650-JPが低度の現実改変を自身のあらゆる部位、細胞に連続して行い続け、加えて、SCP-650-JPは自身が影響を与える実体に対していくらかの現実改変能力を行使することで外界に影響を及ぼしていると推測されました。

SCP-650-JPは通常人間が意識的に行う範囲の動作に加え、脳神経細胞内に流れる電流の生成、心臓の収縮運動、全身の血液の循環運動などの不随意の運動まで含めた、人間がおよそ細胞を用いて行っている全ての運動を、秒間286回の極小範囲の現実改変を同時多発的に行うことで擬似的に模倣しています。

さらなる実験により、SCP-650-JPは本来人間の生存に不可欠であるはずの動作の模倣を欠いたとしても、その存在、異常性そのものには特に影響がなく、SCP-650-JPの行う動作は生存に必要なわけでなく単なる摸倣に過ぎないことが確かめられています。

生きている人間に見えるように全てに現実改変してるとかそんな器用なことできるのか・・・

この事実から、上記の例で言えばSCP-650-JPが投擲した物体は現実改変能力の影響を受け、その位置を秒間286回の現実改変によって消失と生成を繰り返しながら物理的に正当性のある放物線を描いて移動しています。

投擲された実体は、一般的な人間が同様の動作を行い、投擲物がその動作を停止するまでの間の動きと同様に現実改変の影響によって移動しますが、この際SCP-650-JPが投擲した物体には重力以外のあらゆる物理的な力が働いておらず、全てが現実改変の影響によるものです。

SCP-650-JPはその出生からおよそ30年の間、自身の異常性に気づくことなく、自らを一般的な人間であると考え、通常の人間が生活するのと同様の動作を自身の現実改変能力を用いて模倣し、潜伏していました。

本人気づいてなかったんだ

SCP-650-JPは、20??/??/??に突如財団サイト-81??内部に出現しました。即座に財団職員によって拘束され、幾つかの実験ののち現在の収容が確立されました。

収容から現在まで、SCP-650-JPが自身の異常性を用いて、外部から観測できる形で異常な現象、行動を行った例はSCP-650-JPが陳述した一例のみが確認されています。

それ以外の場合、SCP-650-JPはあくまで自身が通常の人間と同じに見えるように自身の肉体の位置を改変し、また脳細胞や神経の電流伝達を一般的な人間のそれに模倣しています。

注意すべき事実として、SCP-650-JPの現実改変能力そのものは随意によるものであり、SCP-650-JP自身が「やろうと思わない」こと、また後述の自身の性格によってその能力が制御されていることに留意すべきです。

SCP-650-JPの収容の経緯についての詳細、SCP-650-JP自身による陳述は以下のファイルを参照してください。

SCP-650-JP 自身の出生について

今になって思い返せば、私はそのはじまりから人では無かったのだと思います。私は恐らく流産だったのでしょう。覚えているかぎり最初の記憶は、胎のなかで育てていた小さな存在がきちんと出てこられなかったことを嘆く母親の叫び声です。

何をするでもなく、何も出来なかった私は、その時にはじめて財団の皆様が仰る所の現実改変を行ったのであろうと思います。

私は自分の唇を、喉を、腹を、声帯の位置を動かしてとりあえず母の真似をしたのです。それが偶然にも通常の赤子と同じであったことはまさしく奇跡でした。

すぐに手を血まみれにした医師が飛んで来て、私の肋骨をぐいぐいと押さえました。私はとにかく真似をすることにせいいっぱいでした。誰かはわからないが私の体を押しつぶしては膨らませているものがいる。そう悟って、それを真似ました。それが二つ目の奇跡で、私はうまいこと、皆様のような普通の人間が、赤子として最低限行なうべき行動を、まず最初に出来たのであります。
SCP-650-JP 異常の認識について

自分が何処か人と違うと気づいたのは4歳にもなっていなかった頃だろうと思います。幸いにも、私は全てを真似、また新しいからだの動かし方を学ぶことに全力を注いでいましたから、そこまで人を外れた動きをしたことはなかったろうと思いますが、それでも何かに気づいてしまった時がありました。

幼稚園で読んだ絵本であったでしょうか、人のからだの不思議に迫る絵本でした。その中では、私とおなじくらいの年代の男の子が病に臥せり、からだの中で色々な、白血球やら、肝臓やらが病原菌を退治するのです。私はそれを読んで、「なんでこの子は自分で体をいじってそれを退治せんのやろうか」と思ったのです。

そのことを先生方や、父、母に質問をすると、彼らは私が自分のからだのことは全て自分でやっているのではなく、自分のからだなのに自分の意のままにならない場所があるという不思議を、子供らしく私が抱いたのだと思ったようで、私にそのことを教えてくださいました。

私がなおも、しかし、その意のままにならない行動もまた、脳が下した命令なのではないのか、と問うと、父も母も口をつぐんで、多くのちいさな子供がそうであるように、この子もまた観念的な疑問を抱くようになったかと笑いました。

私は腑に落ちぬ所こそありましたが、例えば小さな少年が、自分の見ている青い空は、どんな他人も本当に自分が見ているのと同じく青く見えているのか、本当は緑色に見えているのに、生まれてこのかた、あれが青だと教わっているがために、青色の空だと言っているのではないのかと疑問を抱くように、おそらくは私が自分でやっている、普通ならば意識の外で行われるはずの運動も、私が自分でやっていると思い込んでいるだけで、他の皆も私とおなじような感覚を持ってして、自分でそれらを行いながら、それを意識外で行う行動である、と認識しているのだろうと考え、そしてそれはそれっきりにして誰にも話しませんでした。

皆様が仰る所の現実改変はそりゃあ恐ろしいものなのでしょうが、私にとっては、生まれてからずっと続けて来た些細なことであり、それこそが日常であり常識でした。皆様にそれを指摘されるまで、私はほとんど無意識でそれらの改変を行っていたのです。

背を伸ばすには、栄養をとって、よく眠って、そして朝起きていちばんにおおきく伸びをする。それが大切なのだと教われば、私はその通りにしました。そうすれば背が伸びた。しかしそれは私が努力したおかげであり、何か化け物じみたなにかが関わっているだなんて考えもしませんでした。問題を解いて、出来なかった問題に印をつけて、そしてまた解く。それを行うことで解法が身につき、また公式が覚わると信じていたからこそ、それが精神的なスイッチとなって、一連の動作を行った時に公式を覚えることが出来たのです。
SCP-650-JP 異常性に気づいた切欠

本当の意味で自分のことに気づいたのは27歳の頃でした。わたしは結婚して、ちいさな子供がおりました。生きてすらいないわたしが、妻のからだに誰の遺伝子を作り出して、叩き込んだのか、今となっては分かりませんが……わたしはその時にはもうほとんどの動きかたに慣れてしまっていて、反射のように、自動でできるようになっておりました。

わたしはあの日、娘を連れて公園へ出かけました。娘の手を引いて、心臓と細胞と、筋肉と血液と皮膚を転移させながら、足の位置を細かに改変し、自分の重心と、筋肉の動き方を細かに改変し、自身のからだの細胞全ての位置を認識して、その位置、座標を移動させながら、いかにも地面を蹴って進んでいるようなすがたを真似て娘の手を引いて公園へ向かったのです。

信号は確かに赤でした。何がどうということもありません。運転手の落ち度でした。今となっては原因を知ることは二度と出来ませんが、とにかくわたしの娘めがけて、公園へと車が一台飛び込んで来たのです。

わたしは娘の背後に迫る影を見て、一瞬だけ、一瞬だけただの死体に戻りました。何も考えられなかったのです。自分の位置を改変したり、心臓を動かすことも全てを忘れてしまっていました。頭が真っ白になった……わけではありません。ひどく冷静でした。驚きであるとか、恐れであるとか、そう言った感情を感じるためには、わたしはまず自分で動かしてやらないとなんにも出来ない脳を動かさねばならないのですから。

私は冷静な頭で、まず走っても娘には追いつかない、娘は必ず死ぬだろうことを考えていました。私はひょっとしたら、その時はじめて無意識に何かをしたのかもしれません。もちろん、ルーティン化された、自前の感情生成アルゴリズムがいつのまにやら発動したのかもしれませんが、とにかくわたしはそれをやろうとした覚えがないのです。

わたしは手を伸ばしました。いえ、手の位置をできるだけの速さでもとあった位置から移しながら、駆け出したのです。何をしても無駄だと、冷静なわたしの心が告げていたのにです。

でもそうではなかったのです。わたしは次の瞬間、自分の腕がするりともげて、車の方へと飛んで行くすがたが、網膜に移ったことを理解しました。わたしの心は網膜に移ったそれを脳細胞の電気信号を創造することで冷静に解析し、わたしは自分に何が起きたのかを理解できました。

そしてわたしは自分が、ヒトでないことを理解しました。いえ、信じてください。わたしはその人生のなかで、自分にそんなことが出来るだなんて考えたこともなかった。やり方も知らなかった、思いつきもしなかったのです……いえ、夢見たことはあります。わたしも少年の頃には、とくべつな能力を持って戦う青年たちの生き様に憧れ、自分なりにそういった能力を夢想したこともございます。でもわたしは、それを本当に出来るだなんて思ったことはなかった!

……わたしは、自分の腕を飛ばすことができることを悟り、そしてわたしの腕は車をぺちゃんこにできる力を出せることを悟りました。運転手を砂ねずみに変えて、公園にいた他の人に、わたしと娘と、それから車を見えなくすることができることを悟りました。そうして、子供の頃から感じて来た違和感が、現実のもので有ることを悟りました。全てが終わった時に、わたしはただ呆けてしまいました。わたしがこれまでやってきたことは、全てが自分の力ではなかったと知り、想像の世界にあると思っていたものが、まさに自分であると知ってしまいました。わたしは、自分のからだを数十mに伸ばすことも、解いたことのない難しい数学の問題を解くのも、やろうと思えば出来てしまうことを知ってしまいました。

わたしはそういったときにどんな感情を抱いたら良いのか、どんな動きをしたらいいのか、涙を流すべきなのかどうなのかすら分かりませんでした。物真似ばかりして生きてきたわたしには、物真似でない行動をすることがひどく不安に思えて、ただ立ち尽くしておりました。

わたしは、自分をなんとか普通に出来ないかと手段を講じました。しかし、それは無駄なことでした。わたしの肉体はただわたしの心が執着しているだけのでく人形だったのですから、わたしは一体何を破壊したらいいのかわかりませんでした。わたしの心はどこに有るのか、わたしが脳を動かしたり、足を動かしたり、そう言ったことをしている自我の部分がどこに存するのか、わたしはついにわかりませんでした。他のことはなんでもできるのに、わたしはわたしを……わたしの現実改変をなくすことだけは出来なかったのです。

わたしはそして、最後に、何もかもが嫌になってしまいました。わたしは自分をなるべく隠そうとしました。何かをしてしまうのが怖かった。わたしは、わたしは……そうして、わたしを殺してもらおうと考えました。わたしは“わたしを殺してくれる所にいきたい”と願い、肉体の位置を改変して、この収容室にみずからを置きました。すぐにそちらのエージェント様が飛んできて、それからは皆様もご存知の通りです。

わたしは自分を殺したいと思っているはずです。しかし、わたしはここに飛んできた。殺し屋の家でも、地雷舞い踊る戦場のただなかでもなく、研究施設であり、収容施設であるこちらに飛んできた。ここがわたしをいつか殺してくれる場所なのでしょうか?それとも、わたしは自分が生きていてはいけない存在だというのに、本当は殺されることが怖くて、自分を守ってくれそうな所をいつの間にか選んで飛んできてしまった、意気地なしで……

……人でなしなのでしょうか?

人だと思ってたのに自分が何かわからなくなっちゃったんだね

財団職員によってSCP-650-JPの陳述の信憑性が調査され、SCP-650-JPが殺害したとされるトラックの運転手の身元以外の情報が真実であると確かめられました。SCP-650-JPが殺害したと証言するトラックの運転手について、財団は調査を続けています。

SCP-650-JPを破壊する試みは、その肉体の破壊自体は簡単ながら、SCP-650-JPが危機回避のため予測できない現実改変を起こす危険性と、SCP-650-JPの肉体の破壊がSCP-650-JPの無力化に必ずしも繋がらない可能性を考慮し、恒久的に保留されています。

もう亡くなっている!?現実改変能力で生き続けるSCP!!彼は望むものはなんでも叶えてきたけれどもそれが普通のことではないと絶望してしまった。ただ唯一能力を手放すことはできない・・・

著者 [boatOB] 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-650-jp

終わり

sun jibによるPixabayからの画像

今回は最強の能力を持ったSCPを紹介しました!どのSCPも財団が制御できない強力な能力の持ち主です。彼らが世界の滅亡を望んだら叶ってしまうの・・・?原作記事が気になったら是非読んでみてください!

この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。

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