不思議で怖くて、おもしろい!!そんなSCPを紹介していきたいと思います!!
今回は夢の中に現れるSCPを3体紹介しようと思います!!
SCPとは
SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。
SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。
・Safe(セーフ)
注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!
・Euclid(ユークリッド)
よくわからないことが多くて危険だよ!収容が難しいかも・・・?
・Keter(ケテル)
収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!
主にこの3種類に分類されてます。
SCP 1646-JP 全ては夢の中で
オブジェクトクラス:Dagdagiel
この人は、最後まで読んでくれるといいのだけど。
特別収容プロトコル:現時点において、SCP-1646-JP及びSCP-1646-JP-αの完全な封じ込め手法は確立されておらず、更なる収容方法に関する研究が進行中です。また、暫時的な収容方法に関しては、後述する説明文を参照ください。
ああ、お腹が空いた。
説明:SCP-1646-JPは常に1人の人間が体験し続ける反復性の夢であり、現在の貴方の夢です。
多くの場合、SCP-1646-JPは貴方が何らかの端末を用いて、当報告書を閲覧している場面から開始されます。
貴方が端末の電源を消すか、もしくは表示ページを閉じる等の手段で報告書の閲覧を中止した場合、即座にSCP-1646-JPは終了し、貴方は現実へと覚醒することが可能です。
その一方で、貴方が当報告書を最後まで閲覧し終えた場合、貴方が未知の大型生物(以下、SCP-1646-JP-α)に襲われている場面へと変化します。
今度こそ、最後までいけたらいいな。
SCP-1646-JP-αはムカデクジラと呼称される海棲未確認動物に酷似した姿をしており、その全長は少なくとも18m以上に及びます。
SCP-1646-JP-αが貴方の存在に気付いた場合、貴方は数秒から数分以内に捕食されることになります。この捕食の過程において、一切の痛みを感じません。
しかしながら、その間に貴方の意識が途切れることはなく、口内で噛み砕かれ、咀嚼され、消化されるまでの過程を認識し続けるために、複数の精神的負荷へと曝されます。
生きたままずっと食べられるのか・・・
なお、この捕食の過程中であっても、貴方は”夢の中の自身の死”を強く想起することによって、現実へと覚醒することが可能です。
馬鹿真面目か、載せられやすそうな人だと良いんだけど。
また、貴方が覚醒することなく完全にSCP-1646-JP-α体内で消化された場合、SCP-1646-JPは再び、貴方が当報告書を閲覧し始めた場面から開始されます。
そして、当報告書を最後まで閲覧し終えるか、ページ最下部まで一気にスクロールするか、あるいは当報告書が開かれたままの状態で約1時間が経過した後に、SCP-1646-JPは再び、貴方がSCP-1646-JP-αに捕食される場面へと変化することになります。
この人、怖がっている? 大丈夫かな?
当報告書の閲覧を中止するか、もしくは捕食過程中に”夢の中の自身の死”を強く想起することでSCP-1646-JPは終了し、貴方は現実へと覚醒することができます。
しかし、SCP-1646-JPは自身が終了された場合、物理的実体を伴ったSCP-1646-JP-αを、現実の不特定な人口密集地へと出現させます。
そして、出現したSCP-1646-JP-αは周囲の人間を無差別に捕食し続け、一定人数を消費した後にその場から消失します。
この時、SCP-1646-JP-αが消失するまでに消費される人数は、貴方が夢の中でSCP-1646-JP-αに捕食された回数が多くなるほどに減衰するようです。
やっぱり、お腹空いた。
それに加え、現実からのSCP-1646-JP-αの消失すると、現実のあらゆる記録・情報媒体からはSCP-1646-JP-αに関連する全ての要素が取り除かれます。
更に、発生した被害や犠牲に関する記憶や認識も、適当な自然災害や破壊テロ行為に起因する被害であったと置き換えられることで強引に合理化されます。
まだ読み終わらないの?
え!?じゃあ誰かが犠牲にならないと被害が拡大しちゃうの!?
その後、貴方とは別の人物、おそらくは財団職員である誰かの夢が、新たなSCP-1646-JPへと変化することになるでしょう。
この繰り返しにより、SCP-1646-JP及びSCP-1646-JP-αは夢と現実の両者へと異常性と被害を齎し続けます。
これら夢と現実の異常は、このSCP-1646-JPの中からしか認識することができず、現実にて発生したSCP-1646-JP-αによる被害の規模も不明なままです。
現実の財団は何かが起こっていること自体には気付いているものの、その全貌を掴むことすらできていません。
この誰も知らない夢の世界、つまりはこのSCP-1646-JPの中からしか知覚、認識できないSCP-1646-JPとSCP-1646-JP-αに、私は新たなクラスを付与しました。
どうだろう、この人は微妙かもしれない。
もうお分かりかもしれませんが、現時点において、SCP-1646-JP及びSCP-1646-JP-αを一時的にでも封じ込める手段は、1人の人間の中でSCP-1646-JPを半永久的に繰り返し継続させることだけです。
つまりそれは、貴方がこのまま現実へと覚醒することなく、長い苦痛の夢を見ながら眠り続けなければならないということに他なりません。
また途中までになってしまうのは嫌だよ。
貴方にどんな残酷なことを望んでいるのか、十分に理解しています。ですが、どうかお願いします。SCP-1646-JPの収容のため、貴方の力をお貸しください。
今、現実の財団が頼ることができるのは、この夢の中の貴方を除いて他には誰もいないのです。
何より、貴方の次に当報告書を読む人物が、必ずしも私の言葉に耳を傾けてくれるとは限らず、それまでに生じるであろう被害も想像できません。
この新たなクラスのオブジェクトを封じ込める貴方の名誉は、必ずや保障されるでしょう。貴方の愛する家族にも、貴方の働きに相応しい報酬が与えられるでしょう。
しかし、一度でも目覚めてしまえば、貴方はこの夢の全てを忘れてしまうのです。
まあ、何でもいいや。でも、どうせなら、できるだけ長く頑張って欲しいけど。
だから、せめて永遠とは言わずとも、少しでも長い時間、この夢を継続させて欲しいのです。例え、数回だけの繰り返し、数回だけの捕食であっても、それだけで現実の犠牲者を減らすことに繋がるのです。
そして全ては、現実の財団が完全な封じ込め手法を確立するための時間を稼ぐために。間もなく、当報告書は文末となります。
そこを終えたならば、即座にSCP-1646-JP-αは貴方の存在を嗅ぎ付け、迷うことなく貴方の元へと訪れることでしょう。ああ、どうか、お願いです。ほんの少しでも長く、ほんの数回でも多く、この夢を見続けて。
当報告書は終了となります。宜しいですか?
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:現時点において、SCP-1646-JPの完全な封じ込め手法は確立されておらず、更なる収容方法に関する研究が進行中です。
現行での特別収容プロトコル確立以降、サイト-81??では低脅威度のオブジェクトのみが取り扱われており、所属する職員も重要度の低いセキュリティクリアランスレベル2以下の職員のみで構成されます。
SCP-1646-JP-αは、サイト-81??の特別治療室に収容されます。接続機器から検出されるSCP-1646-JP-αのバイタルサインに異常が確認された場合、即座に医療スタッフが対応へと当たります。
また、SCP-1646-JP-αが死亡、もしくは昏睡状態から覚醒した場合、新たに発生したSCP-1646-JP-αの捜索、回収を行ってください。
二つ目の報告書・・・?どうなってるんだ?
説明:SCP-1646-JPは常に1人の財団職員にのみ発生する、異常な昏睡症状の通称です。
現在までに、合計して???人の職員が影響下へと置かれていたことが確認されており、その全員がセキュリティクリアランスレベル2以下の職員であったことが確認されています。
SCP-1646-JPの影響下に置かれた人物が、その状態で初めての睡眠を行った場合、その人物は即座に昏睡状態へと移行します(以下、この昏睡状態の人物をSCP-1646-JP-αと呼称)。
この昏睡症状は早ければ1時間以内、長い場合では数年以上が経過した後に回復します。
観測史上、最長では17年2ヶ月の間、昏睡状態の継続したケースが確認されています。
それに加え、現在までに疼痛刺激等を含む如何なる手段を用いても、SCP-1646-JP-αを覚醒させることには成功していません。
また、SCP-1646-JP-αに対して行われた脳波モニタリングの結果は、毎回1時間のインターバルを挿んで発生する、最短で102時間、最大では156時間の連続的なストレスレベルの上昇と、不規則な恐怖感・嫌悪感の想起反応の兆候を示しました。
その一方で、昏睡状態から覚醒した全てのSCP-1646-JP-αは、自身の恐怖感・嫌悪感の要因となった存在に関して説明することができず、その間に想起・認識していた夢やイメージを一切記憶していませんでした。
それに加え、SCP-1646-JP-αの大半が覚醒後の聴取時に、要領を得ない漠然とした罪悪感や後悔の感情を報告しました。
SCP-1646-JP-αが覚醒した場合、もしくは昏睡状態のまま死亡した場合、新たに別の職員がSCP-1646-JPの影響下へと置かれます。
この時、SCP-1646-JP-αの近隣に存在する、セキュリティクリアランスレベル2以下の職員が影響の対象となる傾向性が確認されていますが、その対象基準となる明確な要因は依然として不明です。
なお、一度でもSCP-1646-JP-αとなった経験のある職員が、再びSCP-1646-JPの影響下へ置かれたケースは確認されていません。
SCP-1646-JPは、19??年に初めてその存在が確認されました。
その性質もあり、現在までに完全な封じ込め手法が確立されておらず、現行の特別収容プロトコルによる被害の軽減対策のみに留められています。
また、財団職員のみが対象となる異常性から、他のオブジェクトの影響も考慮されましたが、SCP-1646-JPの要因となるオブジェクトは発見されませんでした。
追記:元SCP-1646-JP-αの内、長期間の昏睡状態から覚醒した職員の多くに、英雄症候群や救世主妄想に酷似した精神疾患の兆候が明確に示されました。
絶対被害者の人たちは自分が食べられ続けてみんなを守ろうとしてたでしょ!!
これを受けて実施された更なる調査の結果、SCP-1646-JP-αとなった職員の大半が上記症例と酷似した心理・精神状態を有していると診断されました。
この結果より、SCP-1646-JPが精神影響作用を有する可能性、もしくは、一種の英雄願望や誇大妄想的願望を持つ職員がSCP-1646-JP影響の対象になりやすいという傾向性の存在が示唆されています。
また現在、上記事柄に関する調査検証が継続されています。
夢の中でバケモノに食われ続ける!?報告書を偽造するSCP!!最初の報告書はSCP-1646-JPが人間を長い時間捕食し続けるためのフェイクですね・・・騙された人は何度も捕食され精神を崩壊してしまう・・・恐ろしいSCPです。
著者 [amamiel] 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-1646-jp
SCP-2670-JP 親友の頼み
収容クラス:Euclid(暫定)
特別収容プロトコル:未定
説明:当該オブジェクトはサイト-Ψです。サイト-Ψにおいて複数の異常現象の発生が確認されていますが、エドワード・アッカーマン研究員を除くサイト-Ψ全職員は異常性を認識していません。
え?1人にしか発生しない異常現象なんてあるの?
補遺1:映像記録
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
アッカーマンがカメラを覗き込んでいる。暫くして、アッカーマンは少しカメラから離れる。
アッカーマン: あー、あー。…よし。記録は問題ねえみたいだな。では、えー、始めよう。俺はエドワード・アッカーマン、サイト-Ψに勤務してる財団研究員だ。俺は今、ここで起きてる「何か」を調査している。
カメラが持ち上げられ、サイト-Ψ内の様子を映す。清潔に保たれた施設内を、
数名の研究員が往来している。
アッカーマン: まあ、一見するとごく普通のサイトだ。が、よく見てみると…。
カメラが往来する研究員の1人にズームする。当該研究員はサイトの壁に語りかけており、時折大きく笑う。当該研究員が、カメラの死角に出ていく。
アッカーマン: …こんな感じだな。違和感に気づいたのはここ最近だ — サイト内の人間の行動が狂ってるという事実、って言うべきか?まあとにかく、俺はこの異常に気づき始めたわけだ。
アッカーマンが深呼吸する。
アッカーマン: 数年間勤めてきたこのサイトで何が進行中なのかはわからねえ。だが、俺は財団研究員として、この異常現象の調査を進めようと思う。その為にこのカメラを作った。記録した映像をAIが自動で文書に書き起こしてくれる優れものだ。まあとにかく、これから何かがある度にこのカメラで…。
背後から、ジョン・リックウッド研究員の声がする。その声に反応してか、アッカーマンがカメラと共に振り返る。やや離れた位置に、リックウッドが立っている。
リックウッド: エディ、そろそろ飯にしないか。
アッカーマン: お…おう。わかった。今行くぜ!
カメラの電源が落とされる。
<ログ終了>
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
サイト-Ψ内のカフェテリア内にて、リックウッドがサラダを食べている。その対面に、アッカーマンは座っている。
リックウッド: …ん?エディ、何だそれ?
アッカーマン: あー、いや。ただ、こういう何気ない日常っていうのを記録しておきてえんだよ。
リックウッド: ふうん。まあ良いが、お前もサラダ残してないで早く食べろよ。
アッカーマン: わあってるって、ジョン。
カメラを片手に、アッカーマンがサラダを食べ始める。リックウッドもサラダを口に運び、やがて完食する。リックウッドはトレーを持って立ち上がり、カメラの死角に出ていく。
[省略]
リックウッドが戻ってきて、再びアッカーマンの前に座る。そして、ポケットから取り出したスマートフォンの画面を操作しつつ、空いている手で何もないテーブルの上を探る。
アッカーマン: …ジョン?
リックウッド: ん?
アッカーマン: いや、その…何探してんのかな、って思って。
リックウッド: え?いや、眼鏡を…ん?
リックウッドが、スマートフォンの画面からテーブルへと視線を移す。
アッカーマン: いや、お前眼鏡なんてしてねえだろ、いつも。
リックウッド: …あ、そうだったな。何を言ってるんだ、私は?
リックウッドが笑う。
アッカーマンがカメラを手元に戻し、カメラの電源を落とす。
<ログ終了>
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
アッカーマンが、サイト-Ψの廊下を歩いている。歩くスピードは速く、時折他の研究員とぶつかりそうになる。
アッカーマン: やっぱり、ここの人間はどっかがおかしい。ある程度は普通の人間を装ってるようだが、それでも時々変な行動をしだす。特に…。
アッカーマンの肩と女性研究員の肩がぶつかる。
アッカーマン: おっと、失礼。
女性研究員: いえいえ、問題ありません、問題ありません、問題ありません、
問題ありません、問題ありません、問題ありません、
問題ありません、問題ありません、問題ありません、
問題ありません、問題ありません、問題ありません、
問題ありません、問題…。
当該研究員は同じ言葉を繰り返しながら前進し、壁にぶつかるとそのまま壁の中へと入っていく。一連の現象を見届けた後、アッカーマンは再び歩きだす。
アッカーマン: …こんな感じで、宿舎から離れるほどに行動の異常さが増していく。研究区画の廊下でこれなんだから、きっと収容区画なんか行ったらとんでもないことになってるんだろう。…恐ろしくてまだ行けてねえが。
アッカーマンが深呼吸する。
アッカーマン: 兎に角、俺はまず外の連中と連絡を取んないといけねえ。だが、この異常に関連してんのかは知らねえが、個人用端末じゃ連絡が取れなかった。だから、研究区画端のオペレーション・ルームの端末を拝借する。上手くいきゃあ良いが。
<ログ終了>
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
アッカーマンは、サイト-Ψの休憩室の隅でうずくまっている。アッカーマンが荒い息を立てている。しばらくして、アッカーマンが2回深呼吸する。
アッカーマン: …あー、その。と、取り敢えず、オペレーション・ルームには行けた。で、そこの端末で適当な別サイトにかけてみたら、まあ、繋がった。だが…だが、ありゃ何だ?あんなの会話じゃねえ、壁打ちしたボールがそのまんま返ってきてるだけだ。あんなの…。
アッカーマンが咳き込み、再び深呼吸する。
アッカーマン: …落ち着け。落ち着くんだ、エディ。…結局、どのサイトともまともなコミュニケーションは取れなかった。いやあ違う、どうせ端末が狂ってるだけだ。財団が全滅してるわけじゃ…やめろ、考えるな。そんなこた有り得ねえ。
アッカーマンが立ち上がる。
アッカーマン: …だが、正直それだけなら良かったんだ。さっきも言ったが、端末が狂ってるって考えりゃそれで納得できたんだ、あれだけだったら。
アッカーマンが休憩室から廊下に出る。廊下では男性研究員が歩いており、アッカーマンは当該研究員の肩を掴む。アッカーマンが息を吐いてから掴む手の力を強めると、当該研究員の肉体は膨張し、やがて破裂して内部から大量のポップコーンを吐き出す。再び、アッカーマンがしゃがみ込む。
アッカーマン: 何だよ、こりゃあ。
<ログ終了>
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
アッカーマンは宿舎の自身の部屋にて、ベッドに横たわっている。部屋の床には17人の、部分的に肉体が破裂して内部から様々な物品が覗いている職員が転がっている。
アッカーマン: あれから、何度も試した。やっぱり、俺は同僚の身体をクソにできる。…本当に、人間でも何でもねえクソに。
アッカーマンがため息をつく。
アッカーマン: 相変わらずどの端末でも外部との連絡は取れねえし、取れてもコミュニケーションが成立しねえ。だが、それを確かめてる内に気づいた。
アッカーマンが立ち上がり、部屋の開けっ放しのドアの向こうの廊下を映す。部分的に肉体が融合した状態で歩いている2人組の女性研究員や、廊下の天井に立って歩いている男性研究員などが横切る。
アッカーマン: 同僚たちの異常さは、基本的には宿舎から離れるほど増していく。だが、その中心が宿舎じゃなくて、研究区画の時もある。つまり…中心が、移動してやがる。その中心に、恐らくこの異常の原因がある。
アッカーマンが再びベッドに横たわり、部屋の天井を映す。散乱したおもちゃやキャンディなどが天井に貼り付いている。
アッカーマン: この悪夢はいつ終わんだよ、なあ。
<ログ終了>
<ログ開始>
カメラが起動し、映像が記録され始める。
サイト-Ψ内のカフェテリア内にて、リックウッドがサラダを食べている。その対面に、アッカーマンは座っている。
リックウッド: ん?おお、エディ。まだそれを…。
アッカーマン: ジョン。
リックウッド: 何だ?
アッカーマン: お前も、気づいてんのか?
リックウッドがサラダを食べる手を止める。
アッカーマン: 中心は、お前だった。お前から離れるほど同僚は…いや、世界は狂っていった。わかってんだろ、ジョン?
沈黙。
アッカーマン: ここは、お前の夢の中だ。
リックウッドは立ち上がり、テーブルに手を伸ばす。テーブルが瞬時に消失する。
リックウッド: …ここが夢だと、どうしてわかった?
アッカーマン: はっ、じゃあ逆に訊くぜ、ジョン。一体どうしたら、人間の破裂した中身がポップコーンっていうのが現実だと思えるんだ?
リックウッド: …そう、だな。そうだ。君の言う通りだ、ここは君の夢の中…。
アッカーマン: お前の、だ。
沈黙。
アッカーマン: 俺も、結局はあいつらと同じなんだろ?
リックウッド: …君は、狂ってなどいないだろう?
アッカーマン: もう一度言ってやろうか?中心は、お前だ。お前だったんだ。お前の周囲だけ正常で、他は狂ってた。それに、2人で夢を共有してるなんて希望的な仮説よりも、俺があのクソどもと同類っていう仮説のが現実的だ。違うか?
沈黙。
リックウッド: …エドワード・アッカーマン。彼は、サイト-990で発生したオブジェクトの収容違反による施設倒壊に巻き込まれ、死亡した。君は…私の作り出した幻影なんだろう。
アッカーマン: …ああ、そうかい。
アッカーマンがカメラを放り投げる。
アッカーマン: いつから気づいてた?ここが夢だって。
リックウッド: …君がカメラを持ち出した、次の日だ。研究区画から中庭越しに見えた収容区画で、人間が消えたり現れたりしていた。それで。
アッカーマン: …はっ、夢の主が幻影に先越されてちゃ世話ねえな、全く。
リックウッドが力無く笑う。
リックウッド: …正直な気持ちを話しても良いか?
アッカーマン: んだよ。
リックウッド: 私は、嬉しい。君とまた、こうして話すことができて。君とまた、こうして同じサイトで働くことができて。
沈黙。
アッカーマン: …はっ、勝手な言葉だな。
リックウッド: ああ、そうだろう。でも、君は夢の中でも、私が憧れていたような優秀な研究員だった。そんな君と、またこうして話すことができて、私は嬉しいんだ。
アッカーマン: 幻影だとしてもか?
リックウッド: ああ。君はエディ本人じゃない。でも、それでも君はエディなんだ。
沈黙。
リックウッド: …この夢は、きっともうすぐ終わる。
アッカーマン: どうして?
リックウッド: 全部思い出したんだ。私は最近、事故に遭ってね。それでしばらく昏睡状態になっていたのだと思う。だが、今私の意識が、少しずつ引っ張られているのを感じる。現実の、私の肉体へと。
沈黙。
アッカーマン: どんな、事故だったんだ?
リックウッド: ただの交通事故だ。そうさ、君みたいな英雄的なものじゃない。…だから、私はずっとここにいる訳にもいかない。まだ、私には沢山やるべきことがある。
アッカーマン: そうか。
アッカーマンが笑う。
アッカーマン: じゃあ、ここで俺は消えるんだな。俺という幻影は、ここで無くなるわけだ。万々歳ってやつだな。
沈黙。
リックウッド: …なあ、エディ。
アッカーマン: 何だよ。
リックウッド: 1つ、約束してくれ。
アッカーマン: はっ、良いぜ。どうせ消える身だ、約束だけしていなくなって…。
リックウッド: また、話そう。
沈黙。
リックウッド: また、きっと、夢の中で。仕事の話でも、他愛のない話でも。肩を並べて、一夜中話していよう。
沈黙。
アッカーマンが笑い、鼻をすする。
アッカーマン: …へっ、良いぜ。いくらでも駄弁ってやろうじゃねえか。なあ、親友。
リックウッド: …ああ。ありがとう、親友。
リックウッドが涙を拭う。
リックウッド: じゃあ、またな。
突然、アッカーマン以外の全てが急速に黒く変色していく。同時に、アッカーマンとカメラは足元の暗闇に落ちていく。カメラの映像と音声にノイズが走り、徐々にノイズが強くなっていく。アッカーマンが何かを叫んでいるが、ノイズに掻き消される。
<ログ終了>
めちゃめちゃ感動的な話だった・・・
夢の中に現れる親友!?なぜ彼は自我を持っていたのか。この話には後日談のような記事もあるので気になったらぜひ読んでみてください!!
著者 [KanKan] 原作記事 http://scp-jp.wikidot.com/scp-2670-jp
SCP-3969 ホフマンの悪夢
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:現在、ヒトにおけるSCP-3969の発生を完全に防ぐための実現可能な手段は存在していません。
現在の処置はその影響に対する民間の曝露を最小化することを重視しています。これを達成するために、以下の収容プロトコルが制定されます。
- 財団Webクローラは、SCP-3969に関連する情報がオンライン・コミュニティやディスカッション掲示板に現れていないかを監視します。対象となるサイトでは、SCP-3969に関する虚偽の情報を広めることを意図した偽情報活動が確立されます。学術出版業界に潜入している財団資産も同様に、SCP-3969の性質に関する誤った総意の促進を行います。
- SCP-3969が発生する確率を最小限に抑えるよう設計された睡眠テクニックを、特定の睡眠関連活動(明晰夢、誘発性入眠など)に興味を持っている層に導入します。
- 病院その他の医療機関に潜入しているエージェントは、昏睡状態の患者の記録に、SCP-3969-Aの関連する睡眠段階と一致する症状が無いかを監視します。影響されていた患者は最寄りの財団施設に移送し、治療と記憶処理を行います。
SCP-3969が関与する全ての実験はADRX-3969で実施されます。
SCP-3969は実験目的であれば、長期的な入眠時感覚を促進するヒュプノス-クラス睡眠感覚誘発剤オネイロゲンを用いて引き起こすことができます。
データの記録や被験者との意思疎通には、手順3969-04(補遺01を参照)に詳述されているプロトコルを遵守しなければいけません。
説明:SCP-3969は睡眠開始時のヒトに影響する現象です。当該異常現象の症状は入眠段階ヒプナゴギアにおいて最も顕著であり、異常なまでに長期間の睡眠麻痺と幻覚を伴います。
影響者は典型的には、SCP-3969の主要な効果を意識することなく睡眠開始状態から移行します。
しかしながら、入眠段階時の意識が90~120分間保たれ続けた場合、対象者は過去に記録上知られていなかった睡眠段階へと入ります。
この睡眠段階は、SCP-3969-Aと指定される再発性の夢の経験を特徴とします。
SCP-3969-Aは対象者が眠っている場所に類似しています。夢の中の物品や構造物は、現実世界における相似物の位置・外見・状態を反映します。
このような類似性は睡眠者が最初の領域から遠ざかるにつれて減少していき、周辺環境は不穏さと一貫性の無さを増していきます。
影響されるとめっちゃリアルな夢の中に入って、初期位置から離れるほど変な空間になっていくのか・・・
SCP-3969-Aを経験した人物は、一貫して夢の中における高レベルの明晰性を報告します。
この睡眠段階中に行われた電子画像的な計測は、影響者がREM睡眠に留まっており、睡眠サイクルの進行やNREM睡眠への移行が発生していないことを示します。
対象者はSCP-3969-Aが発生した際の睡眠からは休息を得られず、疲労感と共に目覚めると報告しています。
明晰性が高いにも拘らず、睡眠者はSCP-3969-Aの状態にコントロールを及ぼすことができません。
SCP-3969によって誘発された夢を見ている人物は、疼痛刺激を含む正常な手段によって覚醒させることができません。
身体的な必要性が満たされているという条件下であれば、対象者は夢の中に長期間留まることができます。
Dクラス職員に行われた耐久実験では、睡眠者は医療問題が発生するまでの7日間にわたってSCP-3969-Aに留まることができました。SCP-3969-A内での自己終了が、夢を終わらせる唯一の効果的な方法のようです。
リアルな夢の中で自害しないといけないの!?夢とわかってても嫌だなぁ・・・
補遺01:更なる実験は、SCP-3969影響者の覚醒後の記憶保持度が減少することを明らかにしました。
SCP-3969実験に関与した全被験者の平均推定想起度は10%未満と見積もられています。このため、見た夢の内容想起に依存している夢日記などの記録手段は信頼性が低いと見做され、実験プロトコルから除外されています。
手順3969-04は、SCP-3969-Aの夢を記録する代用方法として考案された実験手順であり、REM睡眠状態の睡眠者との間で感覚データの送受信を可能とするものです。当手順は以下の2つに分かれます。
- 被験者からオペレーターへのデータ伝達。ここには、課題を達成するために、テレパシー能力を有する複数の異常存在から派生した超感覚的伝送手段の使用が関与します。これらの方法を使用して訓練された被験者は、夢の中における自分の聴覚および視覚を受動的に伝達し、使用可能なデータを特殊記録装置に出力できます。
- オペレーターから被験者へのデータ伝達。これは、通常の人間の発話を受け取り、SCP-3969-Aの被験者が知覚可能な形態に変換するミーム的符号化装置によって達成されます。このように符号化された音声の受信は、被験者からは“頭の中に声が響く”ように感じられます。
当手順は認知抵抗値が13を下回る人物に使用されるべきではありません。
そのような運用は被験者に即時の感覚過負荷を引き起こすことが判明しています。なぜこれが発生するのかについては、まだ完全には理解されていません。
つまり夢から覚めたら夢の出来事は忘れてしまう、夢の中で直接意思疎通を取らないと正しい情報にならないのか・・・
Dクラス職員(D-6782)を用いた実験では夢とは思えないほど物事をしっかりと捉えることができ、この夢から退出するには自身の死で夢から覚醒することが試されました。
D-6782は夢の中を探索して、DREAM INSIDE(なかでゆめをみろ)と書かれたクローゼットの中に入りました。
すると女性の頭部のようなものが通気口から飛び出し、口を大きく開けD-6782を飲み込みました。映像は暗い赤色で埋め尽くされる。
D-6782は自身で自害しても夢から覚めることができず、女性のような者に何度も捕食され続けているようです。
この女性は何者なのか!?夢から覚めることができなくなるSCP!!SCP-3969に暴露されたら女性と接触する前に記憶処理剤で忘れてしまった方がいいですね・・・
著者 [stephlynch] 原作記事 http://www.scp-wiki.net/scp-3969
終わり
今回は夢に現れるSCPを3体紹介しました!!関わると夢から目覚めることができない恐ろしいSCPもいます。原作記事が気になったらぜひ読んでみてください!!
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
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