今回は東野圭吾最新作である「クスノキの番人」を紹介しようと思います!!
ネタバレ含みますのでご注意ください。

東野圭吾とは
東野圭吾は、ドラマ化・映画化された作品も多く、日本でも指折りのベストセラー作家。
1958年に大阪府で生まれ、大阪府立大学工学部卒業。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。
本格ミステリ大賞や新風賞、吉川英治文学賞など数々の賞を受賞。
2020年には『容疑者Xの献身』、『白夜行』など電子書籍化もしています。
あらすじ
その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。
その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。
依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」と。
『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。長編書き下ろし。
感想
会社の機械を横領したとして捕まってしまった主人公の柳澤玲斗。
とあることから伯母の柳澤千舟に柳澤家が代々守ってきた月郷神社のクスノキの番人を任された。
玲斗自身、自分をろくでもない人間として認めて、人生が灰色になってる状態だが、そこから一般的な人間として成長していく。
作品を通して語られる「後世に伝えられるべき念」、「家族の血筋とは」を解き明かしていく。
預念者の念は時を経て後世に生きる人々の希望、光となっていくはずだ。
言葉だけでは伝えることのできない心の思いをクスノキに預かってもらう。様々な念を背負った大木は満月が近づくとその念を血縁者のみに発し、受念に訪れた血縁者はそれを聞くことができる。
言葉にできない思いを伝えることができることは素晴らしい一方で自分の内面をさらけ出す勇気も必要。クスノキは預念者の良い面も悪い面も伝えてしまう。
親族に自分の悪い面を知られてしまうかもしれない・・・
玲斗は千舟さんに真っ当な生き方、礼儀作法を教わって生きていく。玲斗が最も感謝しているのは間違いなく千舟さんだ。
だが千舟さん…あの手帳にそんな意味があったなんて…
関わる人によって人生は変わる。玲斗は最初こそ仕方なくクスノキの番人になっていたが今ではそこが玲斗の居場所になった。
そこにいたいと心から思っている玲斗は昔とは見違えるように成長しただろう。
そこにいていいと居場所をくれた千舟さん、厳しくも玲斗に愛情深く接することで玲斗は成長できた。
人生に投げやりだった主人公が成長していく姿が爽やかで読んでて気持ちよかったです!!
終わり

今回は東野圭吾の「クスノキの番人」を紹介しました!
不思議な力を持ったクスノキ。そこに集まる人々は何を誰に伝えたいのか。
クスノキの番人としてそして人として一皮も二皮も向けた玲斗の成長過程を見れてとても面白かったです!
クスノキの番人シリーズの次回作を楽しみに待っています!
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