不思議で怖くておもしろい!!そんなSCPを紹介したいと思います!!
今回は絶対に見てはいけない!!何が起きるのかわからないSCPを3体紹介しようと思います!!
SCPとは
SCPとは常識に反した超常的な存在です。生物に限らず物や場所などのことを指すことがあります。それらを確保、収容、保護することを目的としているのがSCP財団です。
SCPには収容難易度によってランクづけされておりオブジェクトクラスと言われています。
・Safe(セーフ)
注意して収容しとけばそんなに危険じゃないよ!
・Euclid(ユークリッド)
よくわからないことが多くて危険だよ!収容が難しいかも・・・?
・Keter(ケテル)
収容することができない!なかには人類への壊滅的な危機または世界が終わる危険性があるよ!!
主にこの3種類に分類されてます。
SCP-397-JP そのカーテンの向こう側
オブジェクトクラス:Aoumalous→Safe→Keter
特別収容プロトコル:SCP-397-JPはサイト-8123の収容室に収容されます。収容室には通常の設備に加え、椅子2脚を備え付けてください。SCP-397-JPは事前にテスト-397-JPを行い、一定以上の集中力を維持することが可能なDクラス6名(以下、D-397-JPと表記)をローテーションします。
D-397-JPに対してはSCP-397-JPが閉じた場合即座に開かせるよう条件付けを行った上で、2人1組で使用し、8時間の間SCP-397-JPが開いていることを確認させ続けてください。SCP-397-JPの異常が進行した場合のため、SCP-397-JP監視室には研究員に加え、常に対大型動物用の装備を保持した警備員を最低2名常駐させて下さい。
2回もオブジェクトクラス変わってんの!?しかも最終的にKeterかぁ
説明:SCP-397-JPはAnomalousアイテムとして一度分類されていましたが、現在SCPオブジェクトとして扱われています。以下のAnomalousアイテム記事は発見当初のものであり、現在では適用されていないことに注意して下さい。
説明: カーテンが取り付けられたコンクリートの壁。カーテンを閉じている間だけ、向こうに青空と草原の風景が見える。開くとコンクリートの壁以外、何も見えない。 回収日: 2012/3/21 回収場所: 大阪府?????地区の廃ホテル 現状: 保管 カーテン越しじゃぼんやりして風景を楽しめんな。まぁ、光が差し込んでくるから体内時計の調整には使えるかもしれんが — 骨折博士
SCP-397-JPは大阪府?????地区の廃ホテルで発見されたコンクリートの壁及び、そこに設置された緑褐色の薄手のカーテンです。SCP-397-JPの特異性は、向こう側に窓が無いにもかかわらず、青空の下の野原と遠景にある森林をカーテン越しに確認できることです。
これらの特徴はカーテンを開くことで失われ、ただのコンクリートの壁及び閉じられたカーテン以外の何物も確認出来ておらず、また、カーテン越しに景色に対して接触した場合、窓の存在を触感によって確認することができず、コンクリートの壁のみがカーテン越しの手触りとして感じられます。
SCP-397-JP越しに見える青空の風景はいかなる季節や時間においてもほとんど変化がないように見られます。補遺を参照して下さい。春夏秋冬、昼夜にかかわらず、同じように差し込む光と青空、野原と森をカーテン越しに視認できます。
もう一つの特徴として、SCP-397-JPはカーテンを開けた状態であっても、人間が集中して観測していない間に独りでに閉じ、風景を映し出すことが確認されています。SCP-397-JPをカメラによる観測を行った場合、数秒間ノイズがカメラに走った後、カーテンが閉じ青空の風景が映し出されていることが確認できました。
カーテンに対して紐や釘、ロボットアームなどを用い、開いたままにしておく実験において、SCP-397-JPはいつの間にかそれらを全てはずした状態で閉じているのが確認されました。カーテンを取り外し、金庫内に仕舞っておく実験において、警備員が金庫から意識を少し離している間にSCP-397-JPにカーテンが取り付けられ、閉じられた状態になっていました。
どう足掻いても人が見てない間にカーテンが勝手に閉まるのね。でも全然危険じゃなさそう!
SCP-397-JPのサンプルを検査した結果、カーテン、カーテンレール、コンクリート壁の全てにおいて何らかの特異性は発見されておらず、またカーテンは当該の廃ホテルが営業されていた際に全ての部屋内に取り付けられたものと同じでした。廃ホテルの営業停止の理由は単なる経営不振であり、経営に関するなんらかの異常性は現在未発見です。
追加文書1:2012/5/14、このアイテムの奥にある森に、赤と黒の色をした何かが存在しているのを天王寺博士が発見しました。この変化によってSCP-397-JPはSafeクラスのオブジェクトとして認定されました。以下、この存在をSCP-397-JP-1と表記します。
追加文書2:2012/6/17、SCP-397-JP-1が明らかにこちらに接近していること、そのおおよその高さは周囲の樹木から推測した場合6メートルを超えていることが新たにわかりました。
追加文書3:2012/7/22、SCP-397-JP-1が黒及び紅褐色の肌、地面に垂れ下がるほど長い腕と爪を持っている人型の生物であるということが新たにわかりました。これによりSCP-397-JPはEuclidクラスのオブジェクトとして認定を受けました。
おいおいなんかヤバそうなバケモンが出てきたぞ!?
6mってデカすぎじゃね?住宅の2階ぐらいのサイズだよね!?
追加文書4:2012/7/26、SCP-397-JP-1の接近はSCP-397-JPのカーテンが開かれている間止まることが判明しました。これにより特別収容プロトコルが大幅に改訂されました。
追加文書5:20??/??/??現在、SCP-397-JP-1のこちらへの接近速度が明確に上昇していることが発見されました。また、SCP-397-JP-1の紅褐色の肌だと思われていたものは、おそらく血液の付着によって変色した人間の衣服を大量につぎはぎしたものであることがわかりました。
向こう側には何がいる!?巨大生物が近づいてくるSCP!!カーテンが閉まっていると巨大生物がいる世界と通じてしまうのか?ずっとカーテンを開けておくことでその生物を近づかせないようにしているが・・・
6mもの大きさならこちら側に入ってこれないのでは?と思うけどすでに何人もの人が犠牲になっているようだし引きづり込まれたりする可能性もある・・・
そのカーテンの向こう側を見てはいけない・・・
著者【tokage-otoko】 原作記事 SCP-397-JP – SCP財団 (wikidot.com)
SCP-4278 最後の島
オブジェクトクラス:Keter
特別収容プロトコル:SCP-4278の短期滞在性ゆえに、恒久的かつ物理的な収容は不可能です。
SCP-4278の出現の裏付けが取れた場合、潜入エージェントが即座に出現場所へ向かい、SCP-4278を最初に目撃した人物を特定した上で拘留下に置きます。他の目撃者には例外なく記憶処理を施し、出現エリアを公共から封鎖してください。
最初の目撃者がSCP-4278に戻ろうとした場合は、その試みを妨害しないでください。この事例での収容の試みは資源の無駄であると裏付けられています。
資源の無駄!?完全に収容諦めてるじゃん・・・
まぁ神出鬼没の島なんて収容使用がないと思うけど。
説明:SCP-4278は世界中の様々な場所で出現と消失を繰り返す小さな熱帯の島です。ほとんどの場合、SCP-4278は極端に人口が少ないエリアにエリアに出現します。このため、SCP-4278の出現の大多数が未報告であると考えられています。SCP-4278は出現地点に3日〜6か月留まります。
探索チームによるSCP-4278の調査から、熱帯の島でよく見られる植物の存在は明らかになったものの、動物はどの種も発見されていません。加えて探索チームは、島の中心部に近づくにつれて見張られている感覚が強まってくると報告しています。
数回にわたってSCP-4278の全体が探索されたものの、この感覚の原因は特定されておらず、これが実際に異常現象であるのか、それとも単なる心理的作用であるのかは現状不明です。
SCP-4278に人間が居住していた唯一の痕跡は、島の中心部に所在する、木質材料や大きさが様々である6つの木製小屋です。各小屋の内部には木製のテーブルが1つのみ存在し、そのいずれも長期間にわたって多数の鋭い物体で傷つけられているように見受けられます。それぞれの小屋の地下には集団墓地があります。各墓地には人間の遺骨・温存された器官・様々な臓器が納められており、これらを合計すると246人分になると推定されています。
SCP-4278の2つ目の異常効果は、出現後に初めて人間に観測された際に発現します。観測した人物 (以下、被影響者と呼称) は、近い将来にSCP-4278上で儀式として殺害されるという確信を得ます。質問時には将来訪れるその殺害について具体的かつ鮮明な詳細を供述でき、あたかもまだ発生していない出来事を思い出しているかのように情報を受け取っていると主張します。これが純粋な予感であるのか、それともSCP-4278への曝露によって植え付けられた記憶であるのかは未だ判明していません。
儀式!?見ただけで何かの儀式の生贄にされるの!?
もしかして246人って今までの犠牲者たち・・・?
SCP-4278が現在地から消失する直前、被影響者はSCP-4278に上陸し、SCP-4278とともに消失します。次の出現時には、SCP-4278の中心部に所在する小屋の1つの地下に新たな臓器が見られます。
SCP-4278の被影響者は一様に、自分はSCP-4278に戻ることを異常性によって強制されておらず、単に将来訪れる殺害の必然性に屈服しているだけであると主張しています。被影響者がSCP-4278に戻るのを妨害する試みは、セキュリティ対策の偶然と思われる無効化や、SCP-4278へと移動している被影響者に第三者が干渉できなくなること (これの原因は未だ不明) により、全て失敗しています。
被影響者を除き、SCP-4278に持ち込まれた異物は消失後に全て周辺エリアに移されます。このため、消失後のSCP-4278を記録もしくはその他の方法で監視することは不可能です。
絶対に防げないのかぁ。強制ではないけど屈服しているって
洗脳されてるみたいな感じなのかなぁ?
インタビューログ4278-1:
2018/09/12、SCP-4278の出現がニューイングランド、サットスポートの沿岸部の小さな町から数km離れた地点で確認されました。この事例での被影響者は地元の老漁師であるダニエル・ロークロフト (52) と特定され、直後に仮設サイト-52の拘留下に置かれました。以下はそれに続く最初のインタビューです。
<ログ開始> (ロークロフト氏がテーブルに座っており、頭を抱えている。1杯の水を持ったサンタナ博士が入室する。) サンタナ博士: 喉が渇いたとおっしゃっていましたね。大丈夫ですか? (沈黙。) サンタナ博士: ロークロフトさん? (ロークロフト氏が顔を上げて素早く瞬きをし、水を飲む。) ロークロフト氏: あ、ああ、ありがとよ。 サンタナ博士: どういたしまして。どうかしましたか? ロークロフト氏: 俺はこれから死ぬ。 (沈黙。) サンタナ博士: 我々が全力を尽くしてそうなるのを阻止します。 ロークロフト氏: それがどうした。もう既に思い出せるんだよ。(笑い) なんでまだ起こってもいない事を思い出せるんだろうな? サンタナ博士: 難しいかもしれないのは分かっています。ですが、先に進む前にもう少しばかり情報が必要なのです。これらの画像を見ていただけますか? (サンタナ博士がテーブルの上に写真を数枚並べる。各写真は最初の探査チームがSCP-4278上で撮影したものである。ロークロフト氏はそれらを少しの間見渡した後、 指を震わせながらSCP-4278の中心部に所在する小屋の一つの画像を差す。) ロークロフト氏: (静かに) それだ。 サンタナ博士: これがどうかしましたか? ロークロフト氏: その家で奴らが俺を切り刻む。 サンタナ博士: 誰が貴方を切り刻むのです? その外見は? ロークロフト氏: わ — 分からない。ただの…… 人間、か? 白いマントというか、ベッドシーツみたいなのを着てる、顔は確認できない。ナイフを持ってる、なんか、鋭い — とても…… とても鋭いヤツ。 サンタナ博士: 貴方を切り刻むとなると…… その者たちが使うのはそのナイフですか? ロークロフト氏: 奴らは俺を切り開く、まるで — まるで魚みたいに、完全に開く。それで俺に手を突っ込んで、ぞ — 臓器を引き摺り出し、それで…… それで俺に見せる、顔の真正面に、それから地面に投げ捨てる。苦痛を感じる。ひどい苦痛を、なのに俺は死んでない。なんで死んでないんだ? (過呼吸を起こし始める) そ、それ、それで奴、奴らは、つま先からこま、細かい所まで俺を切り刻み始めて、それでも俺は死んでない! し、死んでないんだよ! なんで死んでないんだ?! 俺は悪いことなんてしてない! 悪いことなんてしてねえんだ! (医療職員が部屋に入室し、ロークロフト氏を30分かけて落ち着かせる。) サンタナ博士: 気分は良くなりましたか? ロークロフト氏: んー…… あ、ああ…… いや、そうでもない。1つ願いがある…… サンタナ博士: 何でしょう? 何をすればいいので? ロークロフト氏: お袋に今すぐ会いたいんだ、先生。 <ログ終了>
このインタビュー後、ロークロフト氏とその年配の母親との面会がサンタナ博士によって提案され、承認を経て実施されました。ロークロフト氏はこれによって士気が著しく高まったと報告しました。
そんなグロい幻覚を見せられたら精神おかしくなるわ・・・
でもお母さんに会って少しは元気になってよかった。
インシデントログ4278-1:
2018/12/19、消失の一環としてロークロフト氏がSCP-4278へと向かい始めました。以下はSCP-4278への進行を中断させる取り組みのログです。
時刻 | 事象 |
01:10 | 説明のつかないシステムダウンにより、ロークロフト氏の宿舎のドアが自動的に開く。ロークロフト氏が仮設サイト-52の外へ向かい始める。 |
01:11 | 保安職員がロークロフト氏を確保して拘束しようと試みるも、そのような行動が取れないと報告する。さらに問いただしても、保安職員はその行動が取れない正確な理由を説明できず、単にロークロフト氏との接触が要される行動を何も取る気になれなかったと述べた。 |
01:16 | 保安職員がロークロフト氏に非致死的な範囲で発砲するよう指示される。保安職員が発砲しようとした拳銃が全て詰まる。ロークロフト氏が仮設サイト-52のメインドアに到達する。 |
01:18 | 2回目のシステムダウンにより、仮設サイト-52のメインドアが開く。職員の報告によると、ロークロフト氏は退出時に大泣きしていたとのことである。 |
01:19 | ロークロフト氏がサットスポートの町に向かって歩き始める。保安職員がロークロフト氏の確保試行から観測に切り替えるように命令される。 |
02:43 | ロークロフト氏がサットスポートの町に到達する。私服職員が監視業務を引き継ぎ、ロークロフト氏に接近を止めるよう説得を試みるも、ロークロフト氏が拒否する。 |
03:11 | ロークロフト氏がモーターボートを奪い取り、職員がそのボートに乗船できないことに気づく。ロークロフト氏がSCP-4278へと進む。 |
03:54 | サンタナ博士の命令を受け、海岸に沿って配置されたスナイパーがロークロフト氏の方向に狙いを定め、発砲する。ロークロフト氏に命中するであろう射撃は一度もできなかったものの、SCP-4278からいくらか離れた場所でモーターボートに発砲し、停止させることに成功する。 |
03:55 | 遠隔ドローンを用いてサンタナ博士がロークロフト氏に仮設サイト-52へと戻るように説得を試みる。(インタビューログ4278-2参照。) |
スナイパーすごい!海の上で停止したなら行動しようないし助けるのでは!?
インタビューログ4278-2:
<ログ開始> サンタナ博士: ダニエルさん、お願いです、どうか宿舎に戻ってください。まだ貴方を助けられます! ロークロフト氏: 無理だよ、先生。そんなのは絶対にできやしない。まあでも、ここまでしてくれて感謝してるよ。本当にな。 (沈黙。) サンタナ博士: おっしゃった内容が事実なら、ダニエルさん、その人たちはあの島で貴方を殺すのですよ。 ロークロフト氏: だな。 サンタナ博士: ならどうしてそこに行きたいのですか?! ロークロフト氏: 何もしたくないんだよ、先生。俺だって家に帰って、なんかのテレビを見て、飼い犬を撫でて、ソファーで眠りてえさ。けどな、アイツらは既に俺を切り刻んでんだ。既に俺を切り刻もうとしてる。俺が何を望もうが関係ない。 (沈黙。) サンタナ博士: そのボートはどこにも向かいませんよ、ダニエルさん。それにここの海域はこの時期になると荒れるのです。どのみち島には行けませんよ。 ロークロフト氏: (ため息) それが本当だったらいいんだけどな、先生。でもな、この件に関しちゃ俺らのどちらにも選択権なんて無いのさ。見てろ。 <ログ終了>
時刻 | 事象 |
03:58 | ロークロフト氏が水面を歩いて渡り始める。 |
04:22 | ロークロフト氏がSCP-4278の海岸に到達し、震えながら赤子のように丸まって倒れ込む。職員がSCP-4278に接近できないことに気づく。 |
04:30 | 白いマントを羽織り、頭巾を被った数体の人型実体がSCP-4278上の草木の中から現れ、ロークロフト氏を視界外へ引き摺る。ロークロフト氏は叫び声を上げ始めるものの、抵抗の素振りを見せない。SCP-4278が消失する。 |
海の上歩いた!?どう足掻いても抵抗できないのか・・・
それに意識があるのが最悪だぁぁ・・・
当インシデント後、サンタナ博士はSCP-4278からの配置換えの要望書と、今後の自分の任務を大規模な水域の近くにいる必要性が全く無いものにする追加要望書を提出しました。要望書は両方とも受理されました。
見たら絶望の島。儀式の贄にされるSCP!この人形実体の目的は何なのか・・・サンタナ博士があれだけ尽力してもロークリフト氏を止められなかったのは辛いですね。トラウマになって海に近づくことはできないでしょう・・・
著者【Tanhony】 原作記事 SCP-4278 – SCP財団 (wikidot.com)
SCP-513-JP 向こう岸
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-513-JPの展開範囲は、センサー付きのフェンスで覆われています。センサーの感知範囲に部外者が侵入した場合、カバーストーリー「ダム建設工事」を用いて退去させて下さい。
観測拠点では常に空間分析システムによる観測を行い、展開範囲の拡大などの不測の事態に備えて下さい。内部から敵対的な実体が現れた場合は、常駐している機動部隊こ‐2(“獄卒”)第2分隊が対応します。
実験許可の可否は、研究主任に一任されます。内部への潜入は、現在Dクラス職員にのみ許可されています。他クラスの職員は、展開範囲には極力近付かないで下さい。
Dクラス職員だけってのがまた不穏だなぁ
説明:SCP-513-JPは青森??か群??山地に存在する開放/選別型の異常空間です。外見上の広さは約???m2で、??川の支流の一部、及びその岸辺に当たり、展開範囲は常に原因不明の濃霧に包まれています。休暇中に近郊を訪れ、消息を絶ったエージェント・??の捜索時に発見されました。
エージェント・??の行方は未だ判明しておらず、内部に迷い込んだ可能性が高いと推測されます。
内部へは人間のみが潜入可能です。潜入した人間(以下、潜入者)の精神に応じて構造が変化すると考えられ、その報告内容は毎回異なるものの、いくつかの共通点も判明しています。
1. 外部との通信障害〈GPS/位置エラー、映像/激しいノイズにより判別困難、音声/受信機を境界線付近に置けば可能〉。
2. 外見よりも遥かに広い。
3. 通常空間と同程度の濃霧、時間経過で突如晴れる。
4. 何らかの形態の”川”が出現する。
5. 発生する事象は、おおむね死後の世界の伝承に則っている。
6. 知性を持つ実体が複数存在すると推測、外部に現れたケースはなし。
現時点までの潜入者は全て、調査中に通信が途絶え、以後は消息不明という結果に終わっています。
人によって内部が変わる?死後の世界ってことは信仰、思想によって個別に見える世界が変わるのかな?
調査記録SCP-513-JP抜粋:全文は中央資料室??-????区画に保管
第1次調査:日付:201?/10/??
目的: 予備調査。
手段: ドローン、各種の実験用動物を潜入させる。
結果: 空間分析システムより算出した境界線を越えても変化なし。
研究主任の分析: 人間にしか反応しない可能性が高い。
第2次調査:日付:201?/10/?
目的: 潜入条件の解明。 手段: Dクラス職員(D-2912)を潜入させる。 結果: D-2912、推定境界線を越えた瞬間に消失、上記の通信障害発生。 《音声ログ抜粋》 ⁇博士(当SCP事案研究主任): 周囲の様子はどうかね? D-2912: 霧が深くてよく見えねえが、別に変わりは。あれ、変だな。あの川、あんなに真っ直ぐじゃなかったような。ん? 向こう岸に誰かいるぞ。 ⁇博士: ほう、容姿は分かるかい? D-2912: 小柄で、腰の曲がった、多分年寄り、え? ⁇博士: どうした? D-2912: [愕然とした様子で]ば、婆ちゃん、どうして。 ⁇博士: (端末でD-2912の人事ファイルを参照、彼の祖母は⁇年前に死亡していることを確認) D-2912: [泣き出しそうな声で]ば、婆ちゃん、本当に婆ちゃんなのか。※水音、川を徒歩で渡っているものと推測。 ⁇博士: D-2912、状況を。 D-2912: うるせえ、もう知ったことか! 婆ちゃん、俺もそっちへ。ん? 霧が晴れてきた。 〈中略〉 D-2912: ど、どこだよ、ここは!? 何でこんなに広く。 〈中略〉 D-2912: か、川が、真っ赤に。この匂い、血!? 〈中略〉 D-2912: は、針が、針がびっしり生えた山が。人が、串刺しに。※周囲で大勢の人間の呻きらしき音声 〈中略〉 D-2912: 溶岩の池が。つ、角の生えた鬼が。 ※周囲で液体が沸き立つ音声 〈中略〉 D-2912: ば、婆ちゃん、助け。ち、違う、お前は。は、離せ! 嫌だ、俺はあんな所。 ※至近距離で何者かの笑い声らしき音声 《通信中断》 研究主任の分析: 人間のみが潜入できる可能性が濃厚。内部を異常空間と判断。報告内容は仏教圏の地獄伝承に酷似、危険な環境と推測される。まさか、あの世へ歩いて行けるとはな。
完全にあの世じゃん・・・三途の川、針山地獄、さらには鬼までいるのかぁ
第3次調査:日付:201?/10/?
目的: 内部構造の調査。 手段: Dクラス職員(D-7610)を潜入させる。 結果: 潜入時の現象は第2次調査時と同様。 《音声ログ抜粋》 ⁇博士: 周囲の様子はどうかね? D-7610: 霧が晴れてきた。え、この川、こんなに大きかったっけ? 向こう岸が見えないくらい。 〈中略〉 D-7610: あちこちに、石が積み上げられてるわ。賽の河原みたいに。 〈中略〉 D-7610: 何かある。船着場かしら? 1艘だけ、古びたボートが。誰か乗ってる、三途の川の渡し守みたいのが。き、気味が悪いわね。 ⁇博士: 君は、死後の世界には詳しいのかね? D-7610: まあね、実家が寺だったから。話しかけてみる? ⁇博士: ああ、頼むよ。 D-7610: ねえ、あんた、ちょっと聞きたいんだけど。 ボート上の実体?: 船代は六文。 D-7610: 文? 何時代の話よ? いえ、別に、船に乗りたい訳じゃないのよ。ここはどういう。 ボート上の実体?: 船代は六文。 D-7610: あー、話通じそうにないわ、こいつ。な、何よ、あんたら!? ⁇博士: どうした? D-7610: ぼろぼろの服着た、ババアみたいな奴らが。ま、まさか、こいつら!? ボート上の実体?: 船代無いなら。 新たに出現した実体?: ぬしの着物をよこしおれぇ! 《通信中断》 研究主任の分析: 内部の構造が潜入毎に変化する可能性、潜入者の精神が反映されているものか。老婆のような人型実体というのは、おそらく奪衣婆だろうな。今頃は閻魔大王にでも会っているんじゃないだろうか。
第4次調査:日付:201?/10/⁇
目的: 潜入者の精神に呼応して、内部構造が変化する仮説の検証。
手段: Dクラス職員(D-9016)を潜入させる。選抜条件・裁判時より一貫して無罪を主張しているため。
結果: 潜入時の現象は第2次、第3次調査時と同様。
《音声ログ抜粋》
⁇博士: 周囲の様子はどうかね?
D-9016: 川辺のようですが、霧が深くてよく見え……あ、晴れてきました。お、おお!
〈中略〉
D-9016: お釈迦様が、お迎えに。
〈中略〉
D-9016: ええ、雲に乗って、川を渡っています。一面に蓮の花が咲き誇って。※周囲で風を切る音らしき音声
〈中略〉
D-9016: 羽衣をまとった天女が舞い踊って。※周囲で女性の歌声と弦楽器の演奏らしき音声
〈中略〉
D-9016: 美しい建物が。東照宮を、何十倍にも大きくしたような。※周囲で多数の人間による念仏(おそらく般若心経)らしき音声
〈中略〉
D-9016: 冤罪を被せられた時は世を恨んだが、ここに来るための試練だったのかもしれない。ああ、光が、体が、魂が、浄化され。
《通信中断》
研究主任の分析: 一般的な極楽のイメージに近いと言える。D-9016が本当に冤罪かどうかは分からないが、仮説は実証されたと考えていいだろう。今のところ、全ての報告で共通しているのは死後の世界、そして“川”の存在だ。おそらく、潜入者が日本人であり、三途の川のイメージが反映されている為だろう。では、三途の川を知らない潜入者の場合はどうなるのか?
実際に善人(自身でが善人だと信じてたり)だと地獄ではなく極楽浄土に行けるのかな?
確かに日本人じゃなかったらどうなるんだろう?
第5次調査:日付:201?/10/⁇
目的: 三途の川伝承を知らない人間が潜入した場合の確認。
手段: Dクラス職員(D-4421)を潜入させる。選抜理由・姉崎/フレイザー式信仰分析テストの結果、三途の川伝承に関して無知と判明。加えて、偏向度レベル4のキリスト教原理主義者であり、死後の世界へは門を潜って入るというイメージを強固に有しているため。
結果: インシデントSCP-513-JPを受け実施延期。
201?/11/⁇、エージェント・⁇の生存が確認されました。展開範囲を包む霧の中から歩み出てきた所を隊員に保護され、各種検査や諜報局との身分照会により間違いなく本人であることが確認されました。健康的には何の問題もなく、本人の希望もあり翌日から聴取を開始しました。
エージェント・⁇は休暇中、趣味の渓流釣りのため現地を訪れたところ、SCP-513-JPに迷い込んだと証言しました。内観は第2次調査時のものに近く、川の対岸に元同僚のエージェント・⁇⁇(201?年の”嘆きの水曜日”事件で殉職しています)が立っているのを目撃、このまま進むと帰れなくなると考え、直ちに引き返しました。記憶にある限り、行きと同じルートを辿ったにも関わらず、見覚えのない建造物を発見。SCP-513-JPの手掛かりを求めて、内部を探索しました。
建造物は装飾性に乏しいコンクリート製で、広さは日本の平均的な一軒家程度。人の姿はなく、ほとんどのドアがロックされていました。唯一侵入できた部屋の床には、”棺桶のような”機械(エージェント・⁇の表現)が設置されており、机の上には数枚の紙片が置かれていました。そこに記されていた内容は以下の通りです。
《1枚目》 危険な実験になるだろう。戻れなかった場合に備えて、これを記す。 私の名は平坂真能。反宗教学者、超心理学者、そして真理の探求者だ。 私は川に憑かれていた。その向こう岸を見たいと切望していた。 三途の川、冥府の川ステュクス、母なるナイル。それらは、同じ原型から生まれたものだ。人類の集合無意識に横たわる、此岸と彼岸を隔てる川。なぜ、死から生還した人々は一様にそれを見るのか。文化の伝播だけでは、これ程強く意識に根付いている理由が説明できない。川の概念は教えられて学んだのではない、最初から人の意識下に在るのだ。 川、そして向こう岸の真実を求めて、私は世界中の書物を紐解いた。世界中の宗教家に教えを請った。しかし、そこに記された川と、彼らが語る向こう岸は、愚にも付かない迷信に塗れ、真実は覆い隠されていた。善行を積めば天国に行ける? 悪行を重ねれば地獄に堕ちる? ナンセンス! 私が知りたいのは、未修正の原型たる川と向こう岸の真実だ! 解決の糸口を与えてくれたのは、そこにある機械だ。人の思考を読み取り、亜空間内に具現化する──信じられないだろうが、私はそういう技術が実在することを知っていた。ある伝手を辿って、ついに実物を入手することができたのだ。 さらに、私はこれに独自の改造を加えた。個人の意識を通して、集合無意識にまでアクセスできるようにしたのだ。 今から、川と向こう岸を再現する。危険は百も承知だ。だが、死など恐れはしない。私が恐れるのは無知だけだ。 これを見ている人よ。もし私が戻っていなかったら、実験を引き継いでくれる人間を探して欲しい。無論、あなたがそうしても構わない。人類はそろそろ、神の奴隷から解放されるべきなのだ。
確かにどの宗教でも川はあの世の象徴みたいな感じだったり繁栄の象徴だったり人類にあるべきものだもんなぁ この人はここで人工的にあの世を創造しようとしたのかな?
《2枚目》 実験は順調だ。 改造は上手くいったようだ。脳の内側をまさぐられるような感覚に吐き気を覚えたが、何とか発狂はせずに済んだ。機械から這い出し、研究所を出ると、周囲に亜空間が展開されていた。 そして──川があった。夢にまでみた場所が、現実に! 渡し守が船賃を要求してきたが、私がイメージの剣を振るうと呆気なく消滅した。こんなものは、かつて刷り込まれた迷信の残滓に過ぎない。水を断ち割り、徒歩で渡る。鬼が、ケルベロスが、アメミットが私の行く手に立ち塞がった。尽く切り伏せた。(ええ、、強くね?) 地蔵菩薩が、大天使ミカエルが、アヌビスが私を諭そうとした。全て無視した。 神にも悪魔にも用はない。天国も地獄も素通りだ。我が望みは真理だけだ。 今、周囲には、茫漠たる空間が広がっている。居るのは、私だけだ。ついに踏み込んだのだ。いかなる加工も施されていない、本来の向こう岸に。 万が一の時は、この手記は頑丈な容器に入れ、目立つ場所に置くことにする。だが、おそらくは杞憂に終わるだろう。ここは人の精神世界であり、私の精神世界。イニシアチブはこちらにある。考えてみれば、危険などあるはずもなかった。 もうすぐだ。もうすぐ全てが分かる。
ええ、、この人何者なんだ?かなりの強者みたいだけど・・・
果たしてこの人が求めてるのは何なんだろう
《3枚目》 [乱れた筆跡]何とか研究所まで逃げ戻ったが、まだ震えが止まらない。 実験を引き継いで欲しいと書いたことは撤回する。機械には触れるな。そして、向こう岸には近付くな。 ああ、私は世界一の愚か者だ! あれを直視するまで、理解できなかったとは! 人が宗教を作ったのは、向こう岸のあれを覆い隠すためだったのだ! 直視し続けるには、あまりにもおぞましいあれを! 死後の世界こそ、人類最古のカバーストーリーだ! 私は子供じみた好奇心で、その禁断のヴェールを剥ぎ取ってしまったのだ! 向こう岸に思いを巡らすな。それは、豚に出荷された後の運命を教えるに等しい。いや、家畜なんかじゃない。人は食器だ。あれが人々の意識に、3次元宇宙に伸ばした無数の手に握られたフォークああ知るんじゃなかった誰か私の記憶を消してくれあんな所に行きたくない食われている[判別不能]れ続けているなのにみんな笑って唄って[判別不能]になって溶ける私の自我が溶けてしまうおぞましい[判別不能]死にたい死にたくない死ぬのが怖い生きるのも怖いこわいこわいこわ[以下、判別不能]
《4枚目》
[弱々しい筆跡]神よ、なぜ死んだ。
《5枚目》
報いなのか。
神を信じず、宗教の意義を解さず、全知を手中に収めようと驕った、これが報いなのか。最早、私に安らかに眠れる夜は二度と訪れまい。春の花も夏の空も、毒と化して私を責め苛むだろう。
亜空間を閉鎖したいが、無理な改造が祟って展開を解除できない。無責任な私を許してくれ。
警告する。無知という安寧に浸っていたいなら、人間という殻に守られていたいなら──。
くれぐれも、向こう岸を見るな。
愚かなる平坂より
一体何を知ったんだ!?あんなに真実を知ることに執着していたのに・・・
全くの別人のようになってしまった・・・
エージェント・⁇は紙片の回収、建物や機械の撮影などの作業を行った後帰途に着き、SCP-513-JPからの脱出に成功しました。彼の腕時計の時刻は潜入開始時点から約2時間しか経過しておらず、⁇博士は時間のずれが生じた可能性を示唆しています。平坂真能という人物については、異常な技術の保有、カバーストーリーという語句を用いていること等から、財団、あるいは要注意団体との関わりが懸念されます。
SCP-513-JPの研究は建造物の調査、平坂氏の捜索へとシフトする予定です。
補遺:エージェント・??のコメント
気のせいだとは思うのですが、SCP-513-JPから抜け出す瞬間、背後に何者かの気配を感じました。いえ、人間ではないと思います。もっと、ずっと、遥かに巨大な、計り知れない存在が、川の向こう岸からこちらを見つめているような。いえ、見てはいません。振り返った時は、すでに外に出ていましたから。ええ、怖くはありませんでしたよ。むしろ、何だか懐かしいような。あいつ(故エージェント・???)も、あそこへ行ったんでしょうか。だとしたら、案外死ぬのも悪くないかもしれませんね。
一体何が存在するのか!?見てはいけない知ってはいけないSCP!!平坂という男性は屈強で精神的にも強靭な方だと思いますがその方が絶望するものがあの世の向こう側に隠されているのか・・・?
著者【ykamikura】 原作記事 SCP-513-JP – SCP財団 (wikidot.com)
終わり
今回は見てはいけない恐ろしいSCPを紹介しました!どのSCPも見てはいけない、知ってはいけない、関わらないことを願うしかない、かもしれないですね・・・
原作記事が気になったらぜひ読んでみてください!!
この記事はCC BY-SA 3.0ライセンスに基づきます。
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