抜け出せない悲惨なタイムループ!?【邪宗館の惨劇】を読んでみた感想!!【ネタバレ含みます】

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こんにちは!!今回は著者 阿泉来堂邪宗館の惨劇を読んだのでそのレビューを書いていきます!!ネタバレ含みますのでご注意ください

物語

火災事故で親友を失った天田耕平は、恋人と共に慰霊祭へ向かう途中、バス事故で立ち往生してしまう。乗客らと辿り着いた廃墟は、カルト宗教の施設だった。夜のふけた頃、乗客たちが次々と殺害される事件が発生。建物から脱出を試みた耕平は、恐ろしい姿の怪物に遭遇し意識を失う。目を覚ますと、再びバスに乗っていた。絶望する彼の前に現れたのは、ホラー作家・那々木だった。驚愕ラストに震撼する、ループミステリー

感想

何度タイムループしても抜け出せない、悲惨な結末を変えられない、そんな状況に陥った天田耕平。ただ不可解な点は時折タイムループで出現しない人々の存在。

なにか重要な鍵を握っているとは思いましたがまさかタイムループではないとは思いませんでした。

確かにタイムループならば最初は全く同じ状況で行動次第で未来が変わり、タイムループを抜け出せるというものです。

だがこの作品は最初の状況がたびたび変化しており、どんな行動をしても結末が変わらない

時間はループしておらず、主人公が毎年同じ状況を繰り返している。

確かに毎年起こっている現象ではその年その年で他の者がいる可能性はある

しかも天田耕平たちははその闖入者ちんにゅうしゃと話したり触れ合ったりできる。

死んだ人間のはずなのに…

だが闖入者ちんにゅうしゃにいくら呼びかけても聞く耳も持たずに殺されてしまう・・・

けれど何度かのループの中一風変わった者が現れる。ホラー作家・那々木と裏辺刑事だ。

彼らは戸惑った様子だったが天田耕平の話を信用した。

過去にこの場所ではカルト集団 人宝教大量殺人事件が発生した場所でした。

その目的は神の降臨。

邪道な方法で神を降臨させることで自分たちが信仰するものを顕現させる。

そのために多くの犠牲を払ったようです。

多くの者を殺害し、多くの生贄を捧げる。

その穢れた場所にその土地の土着神を降ろさせることで新たな神を作り出す。

ですが、それほどのことをしても望んでいた神とは違うものが出来た。

そして天田耕平たちがやってきた。

神がこの殺人事件で顕現し信仰を得た。

その信仰とは天田耕平がその事件の中で願ったもう一度やり直したい

汚れた神はその願いを叶えた…

ただその殺人事件が起きるまで神は顕現してなかった。

つまり殺人事件を実際に行ったのは神ではない、バスの乗客の中に殺人犯がいたということ。

その犯人は米山美佐と思わせて辻井拓馬

やはりこの施設の宗教関係の者が犯人でしたが他者を生贄にしてでも自分の願いを叶えるという強い意志の中、常人のように振る舞う彼は真の狂人だと思います。

米山美佐は辻井拓馬に殺されそうになったところを反撃して殺害(女の子が狂った男に勝てんのか?と思ったけど)

そして米山美佐は利用され、この未解決事件の真犯人として生涯を終えた。

米山美佐が殺害される描写はだいぶ過激でえぐいなぁと思ったけど真犯人なら自業自得だと感じていました。(このシーンの時はまだ米山美佐が犯人だと思ってた)

ですが彼女は利用されただけ。命からがら逃げた(重症)が、その後の生活も上手くいかず人宝教に体よく利用され死亡した・・・悲しい女性の悲しい最後。

そして神を消す方法は一つ。天田耕平の信仰(願い)を無くせばいい。
つまりもう繰り返したくないと願えばいい・・・
だがそれはつまり天田耕平死亡するということ・・・

天田洸平は助からないが、愛する者を守る姿をイメージして泣きそうになりました。

ループを抜け出しバスの中での真由子との回想シーン。彼が本当に願っていたのは
もう一度、真由子の笑顔が見たい
ここを読むと鳥肌がブワッと立つし、何度も読みたくなる1番好きなところです!

耕平本当によく頑張ったなぁ()最後に我が子に会えて良かった…と思ったら。

まさかの偽物で、真犯人 辻井の息子だった。彼はカルト教団 人宝教のかなりの権力の持ち主みたい。

米山美佐を真犯人に仕向けたのも彼で、彼の目的は神の降臨時に使用された銅鏡を見つけ出すこと。
銅鏡は警察に取り上げられたのだが、彼の話では公人にも人宝教の手が伸びているとのこと(まじかぁ)

彼と那々木が電話している中、彼が「人宝教は君たちを見ているからね」と言った瞬間、周りを取り巻く一般人が一斉に目を向けてきたのはゾクっとしました。

どんだけこのカルト蔓延ってるねん…

まとめ

汚れた神は1人の人間の願いを叶えて具現化した。天田耕平のもう一度やり直せたら…その願いを叶えて。

守れなかっただからやり直したいと思っていた、どーしても守りたかった者を天田耕平は守れていた。

願うのをやめれば信仰者がいなくなり、神は潰える。だが2度とやり直すことはできないだろう。

それを導いたのは小説ミステリー家の那々木

そしてそれを知った天田耕平に迷いはなかった。

愛する彼女と子供を守った天田耕平は神を潰した

終わり

MarybethによるPixabayからの画像

今回は邪宗館の惨劇を紹介しました!

最初から状況が全く掴めない中、那々木が来たことによってどんどんと整理されていく。

バラバラのピースが繋がり天田耕平の予想もしない真実が顕になっていく。

ストレス無くスラスラ読めてとても良かったです。

続編が出たらぜひ読みたいと思います!

那々木の最初の事件はあるみたいですし、そっちも読んでみようかなぁ

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