こんにちは!!今回はシリーズ累計120万部を突破した大人気「屍人荘の殺人」シリーズ第3弾!!「兇人邸の殺人」のレビューをしたいと思います!!ネタバレも含みますのでご注意ください。

物語
”廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。斑目機関の研究資料を探し求めるグループとともに、深夜その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首切り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見される中、比留子が行方不明に。様々な思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出の道を選べない。さらに、別の殺人者がいる可能性が浮上し・・・・・・。譲は比留子を見つけ出し、共に謎を解いて生き延びることができるのか!?
感想
まず初めに表紙がめっちゃ好きです!今までの2作同様表紙は遠田志帆さんが担当してます。
私個人的には今作の表紙が1番好きです、儚げで美しい比留子は囚われのプリンセスのよう。
それでは本編へ。
首切り殺人鬼の正体
恐ろしい怪物の住まう屋敷「兇人邸」。比留子たち一向は脱出できるのか?
屋敷に入って現れたのは2mを超える隻腕の怪物。異常に発達した筋肉と恐ろしいほどの運動能力。
そいつは班目機関に所属していた「兇人邸」の主人不木の実験による改造人間。ケイという少女だった…。
「サキミ」とはまた違う斑目機関の研究対象だった子供達。
人体実験による一般人を凌ぐ身体能力と耐性を研究していました。
ですが実験内容は主担当のおかげか非人道的なことはなくむしろ、子供達にとっては大切な家族で我が家でした。
だが「サキミ」の予言でこの施設で大量殺戮が起こると予言される…。
ケイはそれを阻止しようとするが・・・。
元凶である不木によってケイは人間が襲ってくるサルに見え、自らの手で大切な家族と我が家を壊してしまった。
いつまでも終わらない幻覚を見せられ自分たちの居場所、家族を守る為に戦っているケイ。
あまりにも可哀想で純粋な少女。
純粋な少女を怪物に変えてしまった不木は研究に囚われた亡者とでもいうべきでしょうか
巨人が筋肉質でずば抜けた力と瞬発力を持っていた為、勝手に男だと思っていました。なのでショウジかコウタが巨人かなと。
さらにフリージャーナリストの田中圭子の存在で彼女こそ「生き残り」のケイ本人だと予想していました(名前にケイ入ってるし)がそれはミスリードでしたね。
生き残り
本当の「生き残り」は成島洸太、ケイをずっと探してようやく辿り着いた・・・が
彼女には彼の声は届かない。
確かに思い返すと成島が常人じゃない伏線は多々あったなと思います。
頭脳明晰、言われたことをすぐに習得する器用さ、家具を持ち運ぶ時の不自然な力。
「生き残り」だからこそのハイスペックだったのですね。
コウタは何十年もケイのことを思い、探し出し彼女を助ける為に走り続けた。
「そんな2人が報われねぇ(泣)。」すごい面白かったけど!
比留子と譲
剣崎比留子は最初の襲撃で巨人の住処に逃げ込んでしまい、すぐ外に巨人がいるので、身動きが取れなくなった。だが動けなくても策を講じていく姿はまさに軍師のようでした。
目の前で見ていたかのような考察、誰にも負けない掛け合い、そして葉村譲に対する過保護すぎる態度。
正直死と隣り合わせな状態なので過保護すぎても仕方ないとは思いますけど。
だが死と隣り合わせなのは比留子も同じ。むしろ誰よりも近くに巨人がいて絶体絶命。
譲もそんな比留子を放っておけない、一刻も早く救出しないと比留子の命が危ない!!
と思っていましたが「兇人邸」は昔の研究施設をあえて真似た館。比留子が逃げ込んだのは男子棟に位置する部屋。
「ケイは真面目だから。」コウタのこの言葉に泣きそうになりました。
最後
そしてコウタの最後の特攻。
コウタの自分を厭わない「生き残り」だからできる作戦とそれを汲み取って動いた比留子、さらに比留子を信じた譲。
誰か1人でも欠けていたら成功しなかった作戦。
なんとかケイを閉じ込めて脱出できた時はホッとしました。
まとめ
次々と同行者たちが殺されていく中今回もなんとか生き残った比留子と譲。
彼らは互いを助けるために自分の身を気にしないほどです。
そんな姿を見て他の人物たちも気に掛けるところはあったでしょう。
特にコウタと田中圭子は「私達みたいになるなよ」と心から思っていたでしょう。
コウタは首切りの殺人鬼となってしまったケイを救うことはできませんでしたが悔いはなかったのではないかと思います。
意思疎通はできない、姿形も変わってしまっただけど50年ぶりの再会を果たした。さらにケイはようやく幻覚から目を覚ますかもしれませんから。
元凶の不木は死亡し、ケイも隊員たちによって十中八九殺処分されるでしょう。ある程度道連れにしそうですが。
でもそれでようやくケイが戦うのを辞めて眠れるのならば…
むしろ生きたまま捕まる方が斑目機関か別の組織に目をつけられ、誘拐されて新たな実験にされそうです。
終わり

今回は「兇人邸の殺人」を読んでみたので感想を書いてみました!
ケイに追われるなかで他の殺人鬼もいるという緊迫した状況、ドキドキしながら読めました。とても面白かったです!
今作は他2作よりも登場人物に感情移入してしまいました。特にケイとコウタ(泣)。読み終わった時に「報われない・・・」と声に出ました。
次回作でケイの今後が決まると思います。
そして最後に「屍人荘の殺人」に登場したコーラとゾンビ映画が大好きだった重元さん、
彼は一体なぜここに・・・?
続きが気になってしまいます。次巻が出るのがとても楽しみ!
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